2021年2月16日火曜日

岸本マチ子「着ぶくれて背面跳びなど考える」(「WA」第93号・終刊号?)・・・


 「WA」第93号・終刊号?(WAの会)、奥付には、1989年1月創刊号 年一回発行/1998年から年2回発行/2002年から年4回は発行、とあった。そして編集後記の署名氏(晄)は、たぶん宮里晄のことであろう。その作品下段エッセイには「『WA』終刊号に寄せて」とあって、それには、


 創刊号の俳句8名、詩12名から、115名の創刊20周年記念合同句集(2008年12月号』を経て48名の92号(2020年9月号』に至るカーブには御多分にもれず会員の高齢化と新入会員の足踏み状態があげられます。

 「句会はこれまでとおり続けます、そしてシンプルな句会報をと考えています」との先生のお言葉にホッと胸をなでおろしてします。


とあり、今年になって「『WAの会』新役員の就任のご挨拶」が送られてきた。それによると、


 (前略)これからの新しい形の俳誌「WA」の発行を主眼に会の継承・運営を図ってまいりますので、今後ともご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申しげます。(中略)

           WAの会

               顧 問  岸本マチ子

               代 表  上地 安智

               副代表  伊波とをる


  とあった。 羽村美和子「第九十二号会員作品評」では、「終刊は寂しい限りではあるが、「WA」の仲間であったことを誇りとし、それぞれの場所でお元気でご活躍されることを、切にお祈り申し上げる」と記している。ともあれ、同誌同号より、新三役の方と、愚生が縁のあった幾人かの句を挙げておきたい。そして、再出発をするらしい「WA」を待っておこうと思う。


    小間切れの居眠りの中小鳥来る     伊波とをる

    島浦に杭打ち込むな薔薇伐るな      上地安智

    首里城が消えてきれいな夕焼だ   親泊ちゅうしん

    今もまた新樹の山が生き埋に       嘉陽 伸

    孤独という最前列の冬の星       岸本マチ子

    たましひを刺しぬけるさみどりの凩    小橋啓生  

    秋思ありかの首里城の赤瓦        佐滝幻太

    どくどくと母性の残滓桃剥いて     瀬戸優理子

    ふうせんかずら異端の風となら遊ぶ   羽村美和子

    忌中札かかげし家のかまどうま     原しょう子



       撮影・鈴木純一「遅いひとの歩く速さでシャボン玉」↑

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