「北の句会」報告・VOL103・104・105号合併号、2021年2月・雨水号(丸山巧編集)、句会報告の手作り冊子とは思えない凝った作りで、句会の光景写真、また句の順位、得点内容、さらに、各句へのそれぞれのコメントも付されている。今号は、開催内容によると、令和2年5月23日(電網①)、10月18日、令和3年1月15日(電網②)だから、(電網)とあるのは、メールによる句会だったのだろう。で、令和2年10月18日(日)が唯一リアル句会で大阪市立生野区民センターで開かれてい(通算104号句会)。その会の自由詠(課題詠《宇宙》もある)のトップが、ブログタイトルにした野間幸恵の「雪舟の手よりこぼれる宇宙かな」と「目礼や霧はゆたかなスピードで」の両句で、総合獲得点一位であった。単独句による高点は4名が並んでいた。
宇宙より轍の続く蟻の道 寺西建舟
昇降機廃墟に残り星流る 北村虻曵
余生ふと菊の日向をゆく時間 堀信一郎
夜濯ぎや宇宙に終焉あるといふ 深井ちか子
その他は、句会報全体から、アトランダムに一人一句挙げておきたい。
西行の筆の細みに星流る 中山登美子
嘘だっていいのよヨーグルトにかける 井上せい子
コスモスの咲けり宇宙の音楽に 島 一木
青インクにて書く文や鰯雲 新井君子
七曜の星をこぼれる葛の花 小林かんな
あやとりのトウキョウタワー月を抱く 七風姿
モディリアーニの女見返るいぼむしり 綿原芳美
宇宙(そら)からの暗闇を吐く桔梗かな 宗本智之
詐欺師かもしれない月の匂いして 野間幸恵
更衣白き手足を折り畳む 浅井廣文
塗りつぶすための鉛筆子供の日 木村オサム
張りぼての零戦模型初明かり 竹内順子
去年今年付箋だらけの資本論 森本突張
いつでも時雨るる用意はできている 三谷 泉
松落葉消去法がそだつ 岩田多佳子
きしむ扇風機父を盗み聞き 谷川すみれ
代々之墓連なりし青葉かな 岡村知昭
あかね空ひらひら包帯あすは征く 宮本武史
ジャスミンの母方の蔓よく伸びる 羽田野令
骸骨とダンスする絵を竹簾(すだれ)かな 泉 史
手ではないものが手招く冬こだま 堀本 吟
門ごとの輪廻転生初笑い 丸山 巧
一瞬の五臓六腑や寒の水 野口 裕
いくらどん北に会釈の羅針盤 浜脇不如帰
実存の森に分け入り霧暴く 冨岡和秀
嵐坊の無常の来たる門火かな モリモトスガコ
★閑話休題・・・第52回原爆忌東京大会作品募集・・・(第51回入賞作品から・三浦二三子「いない人ばかりの写真ひろしま忌」)・・・
大会選者は、安西篤~渡辺誠一郎(50音順)まで、愚生を含め48名。以下募集要項です。
(1) 大会作品▲二句一組・千円(何組でも結構です)
・大会当日までネット上を含め未発表のこと。前書及び注記などは不可。
(2) 住所・俳号・作品・大会出欠予定を楷書で明下さい。
(3) 締切 6月10日(当日消印有効)
(4)送り先▲114-0023 東京都北区滝野川3-48-1-603 石川貞夫方
原爆忌東京俳句大会実行委員会
FAX=03ー3916-5919
(5)応募料は、定額小為替、または現金にて、上記実行委員会まで。
●第52回原爆忌東京大会・・・・・
日時 2021年8月28日(土) 午後1時~
会場 北トピア・ペガサスホール(北区王子1-11-1)
JR京浜東北線王子駅北口・地下鉄南北線王子駅5番出口直通。
記念講演 能島龍三さん(作家)「戦争のリアルを見つめて」。
大会出席予定の方には、後日会場や句会案内をお送りします。また、万一大会を催すことが
困難な状況と判断した場合、お知らせしますので、応募用紙の「出席」欄に必ず〇印をご記入下さい。
芽夢野うのき「紅梅のすこし遅れをとり青空」↑
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