『Picnic』No.2(TARO^冠者)、巻頭頁の添え書きに、「5・7・5を企む『Picnic』」野間幸恵とあって、
俳句を始めてもなかなか面白いと思えるようになりませんでした。そんな時に俳人の梶真久さんに出会いました。
彼は毎日電話で5・7・5の可能性を熱心に語り、何故俳句をしているかを問うと、「世界の王になるあため」とイラっとするようなことを言ってました。(中略)意気消沈しているときに俳人の城門次人さんが「言葉は差異によってのみしか詩の文脈を創出することは出来ない。徹頭徹尾言葉の差異に賭けた定型詩のいさぎよさを楽しむ心境ははじめてです」と、作品をほめて下さいました。また、「言葉中心に展開される文脈(文体)は常に自己を重く持していないと、いつか知らぬ間に無個性になってしまう」と教えて頂きました。結果として、5・7・5を書くことで一喜一憂しないことを学んだように思います。
とあった。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。
ユウレイニナッタラチャントシマスカラ 広瀬ちえみ
想像に少し遅れて象の群れ 松井康子
ではないと考えており氷点下 岡村知昭
お医者さんごっこに使い切る唾液 榊 陽子
ボランティア終わり乾電池に戻る 月波与生
一月の水仙早すぎる抒情 大下真理子
爆撃の後の焼芋掘り出しぬ 木村オサム
すきますきまのはるかなセロリさくり 妹尾 凛
これを塗る前にはあれを剥いておく 樋口由紀子
つれづれを一枚二枚崖の上 中村美津江
立春の記号しばらくあいしてる 石田展子
土曜日の濁流となるものおもい 野間幸恵
撮影・鈴木純一「姫夜叉五倍子(ヒメヤシャブシ)よき名を貰ふ女の児」↑
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