2022年4月29日金曜日

らふ亜沙弥「薄皮に包まれている春惜しむ」(第36回・メール×郵便切手「ことごと句会」)・・

 


  第36回メール×郵便切手「ことごと句会」(2022年4月16日付け)、雑詠3句+兼題1句「深」(出題・渡邊樹音)。以下に一人一句とそれぞれの寸評を挙げておこう。


   手品師の懐深く花の種          渡邊樹音

   ものの怪の押し合う春の闇深く      渡辺信子

   再雇用かくもありたし花筏        江良純雄

   父は筍母は蒟蒻一人っ子        らふ亜沙弥

   「深謝」とやメール「拝受」の春の宵   武藤 幹

   堅くあり短かき思い桜貝         照井三余

   襟元の一本の毛に春暑し         杦森松一

   受刑者と刑務官が並んで桜を見ている   金田一剛

   愛惜の髪ふれあいて咲くさくら      大井恒行


☆寸評

・「薄皮に・・」ー「薄皮に包まれている春・・」。ひよこも、餃子も春の賜。人の子だけは年中生まれる(剛)。最近の春の短さが重なる。あるようなないような春と、薄皮の頼りなさとの組み合わせに説得力がありそう(純雄)。

「手品師の・・」ー色とりどりの花の春の到来。手品師の技としか思えないほどの(信子)。さすがに種では花を出せないと思いますが、でも出てきそうな雰囲気です(松一)。

・「ものの怪の・・」ー春は明るさに満ちているが、いろんなものが蘇生する怪しげな季節でもある。春の闇が面白い(純雄)。

「再雇用・・」ー働く事がある喜びが伝わってくる、花筏が働くスペースをも想像される(三余)。

「父は筍・・」ー共に地下茎繫がりでの組み合わせ、想像を膨らませます(松一)。

「『深謝』とや・・」ーほどほどの良さが、春宵にある(恒行)。

「堅くあり・・」ー若き日の一瞬の鮮烈な思い出。一生ものですね(信子)。

・「襟元の・・」ー説明も解説も要らない!良く解る秀句!!特選とした(幹)。

「受刑者と・・」ー映画のワンシーンのような光景。こんなことが本当にあったらきっと減刑になるだろう(亜沙弥)。

・「愛惜の・・」ー何だろう何故なのだろうか、目にした瞬間に涙が出てきた(樹音) 


珍事がおこりました。金田一剛の全4句を選句したのはらふ亜沙弥さん。しかも一人だけ。佐々木朗希の完全試合のようですね(剛)。



★閑話休題・・(転載)☆★現代俳句協会の金曜教室へご参加ください★☆★

令和4年6月より、現代俳句協会本部にて新たに俳句教室が開催されます。

(対面方式の月曜、水曜、金曜とインターネットでの土曜の4教室)

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講師は大井恒行氏、「豈」の編集顧問です。現代俳句協会の現代俳句評論賞の選考委員、また府中市生涯学習センター「俳句入門講座」講師などでご活躍です。

(ブログ「大井恒行の日日彼是」) 

 金曜教室は「教室」と言いながら型にはまらないのが特徴です。主に句会方式で行います。毎回講師よりお題が出されますので、とてもエキサイティング!参加者によって自由自在に変化する楽しい教室にご期待ください。

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 ★金曜教室

 ★毎月第三金曜日 午後一時より四時まで(初回は6月17日から)

 ★投句2句。(お題あり)

 会場は現代俳句協会(地図はこちら

 東京都千代田区外神田6-5-4偕楽ビル(外神田)7

TEL 03-3839-8190 FAX 03-3839-8191

 会費(10回)1万円

 

●締切は令和4年5月10日(火)●

 協会は4月26日~5月8日まで休みですが郵便の他、メールやファックスでも受付けています。(メール:gendaihaiku@bc.wakwak.com

 

  詳細は現代俳句協会ホームページをご参照ください。


      芽夢野うのき「白髪を洗ふとき薔薇の花のこと」↑

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