第36回メール×郵便切手「ことごと句会」(2022年4月16日付け)、雑詠3句+兼題1句「深」(出題・渡邊樹音)。以下に一人一句とそれぞれの寸評を挙げておこう。
手品師の懐深く花の種 渡邊樹音
ものの怪の押し合う春の闇深く 渡辺信子
再雇用かくもありたし花筏 江良純雄
父は筍母は蒟蒻一人っ子 らふ亜沙弥
「深謝」とやメール「拝受」の春の宵 武藤 幹
堅くあり短かき思い桜貝 照井三余
襟元の一本の毛に春暑し 杦森松一
受刑者と刑務官が並んで桜を見ている 金田一剛
愛惜の髪ふれあいて咲くさくら 大井恒行
☆寸評
・「薄皮に・・」ー「薄皮に包まれている春・・」。ひよこも、餃子も春の賜。人の子だけは年中生まれる(剛)。最近の春の短さが重なる。あるようなないような春と、薄皮の頼りなさとの組み合わせに説得力がありそう(純雄)。
・「手品師の・・」ー色とりどりの花の春の到来。手品師の技としか思えないほどの(信子)。さすがに種では花を出せないと思いますが、でも出てきそうな雰囲気です(松一)。
・「ものの怪の・・」ー春は明るさに満ちているが、いろんなものが蘇生する怪しげな季節でもある。春の闇が面白い(純雄)。
・「再雇用・・」ー働く事がある喜びが伝わってくる、花筏が働くスペースをも想像される(三余)。
・「父は筍・・」ー共に地下茎繫がりでの組み合わせ、想像を膨らませます(松一)。
・「『深謝』とや・・」ーほどほどの良さが、春宵にある(恒行)。
・「堅くあり・・」ー若き日の一瞬の鮮烈な思い出。一生ものですね(信子)。
・「襟元の・・」ー説明も解説も要らない!良く解る秀句!!特選とした(幹)。
・「受刑者と・・」ー映画のワンシーンのような光景。こんなことが本当にあったらきっと減刑になるだろう(亜沙弥)。
・「愛惜の・・」ー何だろう何故なのだろうか、目にした瞬間に涙が出てきた(樹音)
*珍事がおこりました。金田一剛の全4句を選句したのはらふ亜沙弥さん。しかも一人だけ。佐々木朗希の完全試合のようですね(剛)。
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会場は現代俳句協会(地図はこちら)
東京都千代田区外神田6-5-4偕楽ビル(外神田)7階
TEL 03-3839-8190 FAX 03-3839-8191
会費(10回)1万円
●締切は令和4年5月10日(火)●
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芽夢野うのき「白髪を洗ふとき薔薇の花のこと」↑
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