宮澤明壽第一句集『そらまめ』(青磁社)の集名の由来は、次の序句より。
そら豆や黙認の眼となりゐたり 明壽
宮澤明壽(みやざわ・めいじゅ)昭和5年、東京生まれ。句集には平成2年から28年の句を選び収めたとあった。
句歴は「炎環」(石寒太)、「雁坂」(中嶋鬼谷)、「扉」(原雅子)とある。
著者の住所をみると埼玉県在住とあるのに、京都の青磁社からの刊行とは少し変わっている。もっとも歌人の方々にはなじみの深い、良い仕事をしている出版社。本著『そらまめ』も装幀・造本は、愚生の好みである。
ともあれ、いくつかの句を拾って紹介しておきたい。
さみだれの上がりし道の匂いかな
グスコーブドリ弐圓弐拾銭曝書
ねぢばなのねぢれはじめのはなひとつ
しんがりの影は踏まれず雲の峰
遠い日になるのが怖し酔芙蓉
ちりぢりに別れて駅の秋夕焼
晩年の永き有耶無耶寒に入る
蹤きてくる足音の外れ冬の霧
開巻は眼の句、巻尾も目の句であった。
綿虫のゆくへ私の目の行方
クワ↑
0 件のコメント:
コメントを投稿