2018年5月11日金曜日

石寒太「紅梅はいま青鮫の兜太征く」(「オルガン」13号より)・・




「オルガン」13号(発行・鴇田智哉)、ブログタイトルにした石寒太の発句は「オルガン初の追善興行にして客人発句」(宮本佳世乃・留書)だという。連衆の初句のみを以下に紹介しておこう。

   追善 オン座六句「兜太征く」の巻  璞・捌/抜け芝・差合見

紅梅はいま青鮫の兜太征く      石 寒太
 岬に列しおくる春風        浅沼 璞
てのひらを並べてふたつ地がひらき  鴇田智哉
 飛行船から振子時計の       宮﨑莉々香
月うつりたる丸文字の映画館     宮本佳世乃
 照らされながら喋る関取      田島健一

眷属のあつまつて原つぱとなり    北野抜け芝 

                       以下略

 特集のような記事は、白井明大と宮本佳世乃の対談。主要には白井明大詩集『生きようと生きるほうへ』(2015年・思潮社)をめぐるやりとりなのだが、当然ながら、宮本佳世乃の句にも言及されている。対談もさることながら「言祝ぎの春 旧暦のある暮らし展」第二夜の(2018年1月27日)「見る、思う」の資料に付されている白井明大による宮本佳世乃10句選と宮本佳世乃自選10句が「あじさゐのほとんどの白となり海よ」の句以外にはまったく重なっていないということも興味あることだ。俳句作品はそれほど読者と作者では思う思いに乖離があるということか、面白いことである。また、白井明大の発言では、

  書けていない、書かない以前に、書けないと書かざるを得ないの間くらい、書くとしたらこうするしかなかったけど、自分の意の外にあるものもまとめて出すということをする、「未詩」のものも入れる必要がある、そうしないと状況に太刀打ちできないと思いました。

 とあって、書くことと作品として発表することの困難な行がみえているように思えた。
 ともあれ、以下に同号より一人一句を・・・、

  ひとつひとつの虻が時計にかはる森    鴇田智哉
  佐保姫は薄らぐ虹の肩を持つ       福田若之
  まらかすな景色の春が忘れられず    宮﨑莉々香
  かたばみを洗濯物の風のくる      宮本佳世乃
  駅おぼろ完成予定図とちがう       田島健一



          撮影・葛城綾呂 ハナカタバミ↑

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