2019年10月15日火曜日

中西ひろ美「駅を出て直ぐピーを出すをとこへし」(第8回「ひらく会」)・・



 昨日、10月14日(月)は第8回ひらく会(於:府中市市民活動センタープラッツ)だった。台風一過の青空も一日で雨模様の空に逆戻り。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。

  星月夜うっすら不機嫌に帰る      中西ひろ美
  ひも状のものとすみなす良夜かな     鈴木純一
  小さき蝶飛び立つ萩の一眼や     救仁郷由美子
  三世草木照らして十五夜のぼりくる    成沢洋子
  破れ蓮に猫ゆまりして来て見つむ     渡辺信明
  灯に映えて影龍となる菊人形       大熊秀夫
  街に三叉路三島忌を思えらく       大井恒行




★閑話休題・・中西ひろ美「貝のなかの貝なので口をあかない」(「垂人」第36号より)・・


 中西ひろ美つながりで「垂人」第36号(編集・発行 中西ひろ美、広瀬ちえみ)を紹介する。俳句、短歌、歌仙、エッセイなど内容は盛りだくさん。鈴木純一は「垂句摸魚」「垂句摸月」「垂句摸華」と題して、各人同号の発表の句評を入れている。ここでは歌仙「長春歌」の初表と裏の初句を挙げておこう。  

  長春花アバンギャルドな赤い爪    ダークシー美紀
    穀雨にまつげぬらす人形        佛渕雀羅
  踊り手は朧おぼろの中を来て        小池 舞
    屋台の灯遠ざかるまま        中西ひろ美
  竜宮の月を知らない魚とゐる        鈴木純一
    霧たちそめし沼のほとりに       渡辺信明
 ゥ 小鳥くる機嫌よろしき次の家      佐々木笑女  

 以下には、同号より一人一句を挙げよう。

  時の日やAはすでにAでない        野口 裕
  昼顔のにりんは姉妹乳房向け        坂間恒子
  のほほんとめるくまーるや春ともし    ますだかも
  振りかえるたびに沼あり光るなり     髙橋かづき 
  瓦礫から楽譜ママに会えたような     広瀬ちえみ
  待つときの顔のちぐはぐ花蘇枋       河村研治
  見る人も変はりて崖の櫻かな       中西ひろ美 
  のらぼう菜あらふ厨の渚にて        渡辺信明


    

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