2015年5月8日金曜日

眞鍋天魚「眼をあけて眠るいろくづ去年今年」(オン座六句・璞捌)・・・



京王線でちょっと出かける用事があって、調布で途中下車。古書店「円居」に立ち寄り200円均一コーナーで「江古田文学」39(平成11年3月発行)の総力特集「金子みすゞ」というのをパラパラとめくっていたら、まったく失念していたが、「平成連句競詠・’98連句文学賞入賞記念 オン座六句『眠るいろくづ』璞捌」に愚生も参加していたらしい。
1998年12月23日首尾、於関口芭蕉庵「いさよひの会」とある。連衆は14名。折角だから留書を除いて以下に引用再掲載して懐かしむことにした。

   眼をあけて眠るいろくづ去年今年          眞鍋天魚
     淑気を招く深息の泡                浅沼 璞
   上手より山焼く気配やつて来し           万波 鮎
     春が動いてフェルトをぬぐ            島村篤子
   朧でも月が鏡であつたなら              原口一草
     壱越調(いちこつてう)の雅楽のしらべ      星 菊丸

   心音を聞く検査マニアといふ男           大井恒行
     逃げて逃げてにげまくる             山内かよ
   スペインの街の迷路の行き止り          草刈 澄
     氷河期になるブエノスアイリス         大場 砧
   水ありて声ありてこそ竜の舞            山内勝也
     芳香療法(アロマテラピー)過剰反応      鈴木喜久

  みちすがらさらめくこともをもかげね        窪田 尚
    かがやくものはみな獅子座より              也
  マネキンのあつち向きこつち向きなに話す        よ
    嘘でかためた不在証明                   草
  寿老人酒呑んでゐる神谷バー               丸
    スノーボードがうまい総会屋               久
  
  ただひとり来る日来る日の窓の空             行
    野に吹きわたる風たよりなの              尚
  変身はいそぎんちやくにきめました            澄
    枕の下にかくすトカレフ                  魚
  花びらを嗅ぐ難民プレス工             森山崇山
    黄塵を浴び鼓膜顫はす                  砧


                シャリンバイ↑

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