2018年12月17日月曜日

羽村美和子「葉鶏頭密談すでに濡れている」(「ペガサス」第3号)・・・



 「ペガサス」第3号(代表・羽村美和子)、順調に号を重ねている。同人も増え、札幌句会も誕生したようである。同人各人のエッセイには、当然ながらそれぞれの人柄が現れている。「雑考つれづれ」の羽村美和子「三橋鷹女を追って」も連載三回目。羽村美和子の主張がよく出ている。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。

  アウシュビッツ博物館カフェにホットチョコレート 髙畠葉子
  「陀羅尼助」看板古び笑い茸          徳吉洋二郎
  蛍袋まだ残っている戦後             中村冬美
  十月のダリア無くしたはずの鍵がある      羽村美和子
  月明や帰化許されし妻とゐる           檜垣梧樓
  寄せる波わたしが消える秋の波          浅野文子
  曼珠沙華海へ眠っている戦            東 國人
  フォックスフェイス二番目のドアから呼ばれ    篠田京子
  うすばかげろうああそれはもう綺麗事      瀬戸優理子



第8回アトリエグレープフルーツ展↑



       吉田廸子詩画集(2012年・アトリエグループフルーツ)↑

★閑話休題・・・「吉田廸子と絵を描く仲間たち展」(練馬区美術館企画展示室2018年12月11日~16日)

『吉田廸子詩画集』の冒頭の「のどかな仮面」は、次のように書き出される。

 午さがりはその長閑な仮面を
 端正に着けたまま
 流れゆく時の陰影を
 ひそかに刻み続ける   (以下略) 

 その吉田廸子は2008年に武蔵野市吉祥寺の自宅を場に、アトリエ「グループフルーツ」を開設。2011年に死去するが、その志を継いで、小島顕一、その後、井坂奈津子が代表を務めている。その歩みを共にともしてきた両名に、愚生を引き合わせたのは、首くくり栲象の骨壺の置かれた庭劇場での、書肆山田・鈴木一民によってだ。今年、早春のことであった。そのグループ展に出かけた。



『銅版画集2012-2015』
井坂奈津子(いさか・なつこ)
1982年東京都生まれ。↑



井坂奈津子↑

               小島顕一 ↑


   アトリエグレープフルーツのオープンアトリエの案内↑
   月の第4土曜日に行われる。2019年1月26日~

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