2020年6月19日金曜日

小島健「篠竹に涼風の来て人逝ける」(『山河健在』)・・




 小島健第4句集『山河健在』(角川書店)、ブログタイトルにした句「篠竹に涼風の来る人逝ける」には、「村上護氏」の前書が付されてある。また、著者「あとがき」には、

(前略)振り返りますと、これまで多くの俳句の深い恩に恵まれ、感謝の気持ちでいっぱいです。わたくしはかねがね俳句には自他を慰め、励ます強い力、言わば「俳句力」があると確信してまいりました。事実、この「俳句力」に、わたくし自身人生の窮地を何度も救われました。その恩返しにも、俳句を多くの人たちと共に愛し続けたいと強く願っております。

 とあった。小島健の略歴には、石田波郷門岸田稚魚に師事とあったが、長く、ひとすじ、角川春樹に師事し、「河」同人である。ともあれ、愚生好みになるが、以下にいくつかの句を挙げておきたい。

  道行のごとく三寒四温かな       健
  建国日海鼠の足を誰か見たか  
    角川照子先生
  草木に亡き人のこゑ青あらし
  龍天に登るににんげん火を焚けり
  龍太大人手製の箒春日さす
  冬銀河時間の砂を零しをり
  尺蠖に測られてゐる器量かな
    岳父逝く
  雪晴の中へ柩の浮きにけり
  うすらひのあをざめて日に流れをり
  生者には晩年のあり蜆汁
  
 
小島健(こじま・けん) 1946年、新潟県生まれ。



府中市生涯学習センター・大井恒行「俳句入門講座」↑  

★閑話休題・・・府中市生涯学習センター第2期・大井恒行「俳句入門講座」募集中・・・


 新型コロナの影響もあったが、府中市生涯学習センター第二期「7月からの教養・生活実技講座」が開講される。ただし、密にならない席の配置などを守るために、先着12名様のみである。しかも、電話受付などはなく、窓口に直接申し込みのみである。募集広告も、どうやらホームページだけらしい。開講要領は以下である。

 日時: 7月1日(水)、15日(水)、29日(水)、8月5日(水)の4回。
     午後2時~4時。
 場所: 研修室
 定員: 先着12名
 受講料: 2500円
 講師: 大井恒行(現代句協会)

 〇府中市生涯学習センター 府中市浅間町1丁目7番地 電話・042ー336ー5700

となっている。テキストは愚生が、ごく簡単なレジメを作るが、愚生著の『俳句 作る楽しむ発表する』(西東社)と『教室でみんなと読みたい俳句85』(黎明書房)を元にした。


芽夢野うのき「どこかの誰か未来を仰ぐ夏帽子」↑

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