郁乎句集『初昔』見返し署名↑
土方殺ろすにゃ羽物はいらぬ、雨の三日も降ればよい・・・という訳で、昨日は雨で仕事にあぶれてテレビを見ていたら、朴槿恵大統領が、韓国の日本統治下における「3,1独立運動」に触れていた。
3.1はそのほかにもビキニ環礁での第五福竜丸被曝事件が起きている。
俳人に関わる忌日と言えば久米正雄こと三汀忌がある。「微苦笑忌」という。「微苦笑」は三汀の造語らしい(どこでだかは失念したが、郡山市久米正雄紀念館・名誉館長の久米和子・・正雄の子息の奥様・・とお会いしたことがある)。
「微苦笑」といえば、愚生の世代では、加藤郁乎句集『微苦笑』である。
渡辺一考のコーベブックスから見事な造本で上梓された郁乎のごく初期の句、36句をもって構成されている(昨年末の断捨離で原本は手元に無い)。巻頭の句は、
かげろふを二階に運び女とす 郁乎
また、
腰紐の全長春の日にさらす
サイダーをサイダー瓶に入れ難し
朝顔におどろく朝の女かな
ごろ寝する女盛りと秋の山
ひと買はれゆく早春のさるすべり
かまつかや父より継ぎし机上の手
枯木見ゆ作品こはしつゝゆける
あとがきに郁乎は次のように記している。
こゝに収めた習作次代から第一句集にかけての頃の私は、非具象俳句と称する句境の 展開を考へてゐる。画家に春画、小説家に艶つぽい戯作があるのと同様、若い俳人にもエ ロティックな具象世界を捨象しようとしてゐた時期があつたわけである。
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