「麟」(麟俳句会)の表2には、毎号「文学としての俳句」というマニフェストが掲げられている。それが、この同人誌の志なのである。
柱は、「女性俳句研究」の連載である。現在、考察されているのは橋本多佳子。飯野きよ子と駒木根淳子でおのおの第7回目の多佳子研究となる。着実な営為だ。
ブログタイトルに掲げた句は「染谷佳之子の詠む戦争ー火蛾」28句からの作品である。
昭和3年生まれ、とあるから、
自分史のはじめ三月十日の炎 佳之子
の句は、事実、彼女の生の在りようなのであろう。魅かれる句は多い。
若かりし叔父叔母三月十日の忌
反戦集会緑陰に乳母車置き
花火船戦火で逃げし橋くぐる
原爆忌句帳は白きまま昏るる
ヒロシマ・ナガサキ以後を迂闊に踊りゐし
流星や海底に船今もあり
各同人にも社会詠の句が、それぞれにある。
以下に挙げておこう。
蝉時雨シュプレヒコール蝉時雨 山下知津子
憲法九条炎帝は守り通す 飯野きよ子
箱庭になしミサイルも原子炉も 駒木根淳子
強行採決蝉時雨極まれり 野口明子
アカノママ↑
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