田宮尚樹句集『龍の玉』(ふらんす堂)。
句集名は「一昨日も昨日も月夜龍の玉」から・・。著者第二句集。
作者は昭和19年、愛媛県生まれ。坪内稔典と同じである。
略歴に昭和42年に「天狼」入会、その後昭和46年に「草苑」、さらに「雲母」入会とあるが、「雲母」「草苑」も終刊している。現在、「もちの木」俳句会主宰。
帯文に「
私が俳句を作るのはものを見て作らずには居られない衝動にかられるときである」とあるから、
なかなか感動できない愚生などには、羨ましいというべきだろう。
ともあれ、いくつかの句を挙げておこう。
糸桜日月空に入れ代はる 尚樹
木のこころ溢れてしだれかな
酩妙淼々と南溟ありぬ敗戦日
滝枯れて滝の高さの残りけり
柘榴裂けて天地離れてゆくばかり
遅き日の山羊皮綴じの小句集
それにしても、近年の新刊では、山羊皮綴じなどはもちろん、とにかく背皮装の句集や本はとんと見かけなくなった。愚生の若いころは、必ずごく少部数の特装本が作られたものだが・・・
サボテンの花↑
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