2015年10月1日木曜日
飯田香乃「線香花火ブレスレットが光っていた」(『魚座のしっぽ』)・・・
飯田香乃句集『魚座のしっぽ』(草土社)。序文の酒井弘司によると「香乃さんが俳句をはじめたのは、幼稚園の年長さん、六歳のときでした」とあって、現在は中学2年生らしい。小学校5年生のときに「朱夏」108号(平成25年)に載った「わたしの一句」が〈あとがきにかえて〉として掲載されているが、それには「幼稚園の頃から祖父に手ほどきを受けています」とあるから、その祖父とは酒井弘司のことかしら、などと想像してみる。この句集には、香乃さんの成長ぶりがうかがえるように、幼稚園、小学生、中学生の各年ごとに句がまとめられている。手ほどきをうけたといっても、それは、あくまで香乃さんの自主性によっているだろうことが伺える。俳句を上手に作らせようなどとは考えていない。香乃さんのおもむくところにまかせている。中学生の香乃さんの句は、今後、変貌を遂げるにちがいない。それは同時に、香乃さんの大人への成長を促すような句がらになるに違いないだろう。
目を細めてみている祖父の顔があたたかくうらやましい。
せみ鳴いてお花きれいでありました 平成19年・幼稚園、年長
もうすぐ桜が咲くよ雨のあと
十一月やぎ座と南の魚座のしっぽ 平成20年・小学1年
線香花火ブレスレットが光っていた 平成21年・小学2年
風のようにばしっと手をあげ走る夏
ヤッホーとこだまがひびく冬の空 平成22年・小学3年
春風を自転車に乗せ図書館に 平成24年・小学5年
夏休み宿題はあと三つです 平成25年・小学6年
手袋のスヌーピーといっしょにかけだした
満開の桜さくさく飯田線 平成26年・中1年
サルビア↑
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