「俳句新空間」第15号(発行人 筑紫磐井・佐藤りえ)、主要目次は加藤哲也「『概説 筑紫磐井・仁平勝』出版を振り返って」、「皐月句会・美美抄」、令和三年俳句帖(歳旦帖~花鳥篇)、前号作品鑑賞に、もてきまり「新春帖鑑賞」、小野裕三「俳句新空間14号句評」、中島進「俳句新空間前前号(13号)評。厳冬帖(特別作品20句)、ここでは、歳旦帖・厳冬帖などから、「豈」同人の一人一句をアトランダムだが挙げておきたい。
鉢合わせの去年の御慶も誰も来ず 北川美美
ともに来てばらばらに去る嫁が君 飯田冬眞
逃水や王国いくつ亡びたる 井口時男
今更オリンピックなんてつばくらめ 神谷 波
捨てられし浴槽のあり蝌蚪游ぐ 坂間恒子
雁列や反権力とは反る力 堀本 吟
切通しいよいよ無人余花曇 佐藤りえ
ちょっとちくっとしますよ草餅 妹尾健太郎
ミルキーな夢の一歩よ丑の春 早瀬恵子
さえずりや平行四辺形のまま 山本敏倖
母の忌のあとに祖母の忌枇杷熟るる 男波弘志
花に寝て天に近づく瀬音かな 五島高資
生きてゐて死語の遊びや後の月 高山れおな
春の水両手が今日の耳となる なつはづき
玉手箱に太陽の影と逃水 夏木 久
もがり笛支配の涯の顔認証 中島 進
百千鳥えにしは是非に及ばざる 眞矢ひろみ
広辞苑に「人流」はなし盆踊 渕上信子
善・悪の音なく戦ぐ銀河系 筑紫磐井
軍旗また興亜を祈り花の森 大井恒行
☆募集 第7回攝津幸彦記念賞
〇未発表作品30句(川柳・自由律・多行句可)
〇応募は郵便に限り、封筒に「攝津幸彦記念賞応募」と記し、原稿(A4原稿用紙)には、氏名・年齢・住所・電話番号を明記してください(原稿は返しません)。
〇選考委員未定 〇発表 「豈」65号
〇送付先 〒183-0052 府中市新町2-9-40 大井恒行 宛
★閑話休題・・津髙里永子「北川美美をらぬ聖夜のシュトーレン」(「ちょっとたちどまって~2021.12」)
北川美美繫がりで森澤程と津髙里永子のハガキ通信「ちょっとたちどまって~2021.12」より・・・。
六林男忌の水面に風の梢あり 森澤 程
手をつなぐことも一応クリスマス 津髙里永子
撮影・鈴木純一「禮に始まり禮に終はりて冬至かな」↑
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