2021年12月27日月曜日

北川美美「にごりえの男女生涯裸なり」(「俳句新空間」NO.15・2021冬)・・


「俳句新空間」第15号(発行人 筑紫磐井・佐藤りえ)、主要目次は加藤哲也「『概説 筑紫磐井・仁平勝』出版を振り返って」、「皐月句会・美美抄」、令和三年俳句帖(歳旦帖~花鳥篇)、前号作品鑑賞に、もてきまり「新春帖鑑賞」、小野裕三「俳句新空間14号句評」、中島進「俳句新空間前前号(13号)評。厳冬帖(特別作品20句)、ここでは、歳旦帖・厳冬帖などから、「豈」同人の一人一句をアトランダムだが挙げておきたい。

 

 鉢合わせの去年の御慶も誰も来ず   北川美美

 ともに来てばらばらに去る嫁が君   飯田冬眞

 逃水や王国いくつ亡びたる      井口時男

 今更オリンピックなんてつばくらめ  神谷 波

 捨てられし浴槽のあり蝌蚪游ぐ    坂間恒子

 雁列や反権力とは反る力       堀本 吟

 切通しいよいよ無人余花曇      佐藤りえ

 ちょっとちくっとしますよ草餅   妹尾健太郎

 ミルキーな夢の一歩よ丑の春     早瀬恵子

 さえずりや平行四辺形のまま     山本敏倖

 母の忌のあとに祖母の忌枇杷熟るる  男波弘志

 花に寝て天に近づく瀬音かな     五島高資

 生きてゐて死語の遊びや後の月   高山れおな

 春の水両手が今日の耳となる    なつはづき

 玉手箱に太陽の影と逃水       夏木 久

 もがり笛支配の涯の顔認証      中島 進

 百千鳥えにしは是非に及ばざる   眞矢ひろみ

 広辞苑に「人流」はなし盆踊     渕上信子

 善・悪の音なく戦ぐ銀河系      筑紫磐井

 軍旗また興亜を祈り花の森      大井恒行 


☆募集 第7回攝津幸彦記念賞

 〇未発表作品30句(川柳・自由律・多行句可)

 〇応募は郵便に限り、封筒に「攝津幸彦記念賞応募」と記し、原稿(A4原稿用紙)には、氏名・年齢・住所・電話番号を明記してください(原稿は返しません)。

 〇選考委員未定 〇発表 「豈」65号

 〇送付先 〒183-0052 府中市新町2-9-40 大井恒行 宛


    

★閑話休題・・津髙里永子「北川美美をらぬ聖夜のシュトーレン」(「ちょっとたちどまって~2021.12」)

  北川美美繫がりで森澤程と津髙里永子のハガキ通信「ちょっとたちどまって~2021.12」より・・・。


   六林男忌の水面に風の梢あり     森澤 程

   手をつなぐことも一応クリスマス  津髙里永子



       撮影・鈴木純一「禮に始まり禮に終はりて冬至かな」↑

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