2021年12月3日金曜日

干場達矢「小鳥来てどの小鳥にも触れぬ指」(「トイ」NO.6)・・


 「トイ」NO.6(トイ編集室)、「あとがき」に


 近く、池田澄子のエッセイ集『本当は逢いたし』(日本経済新聞出版)が刊行される。この10年間に発表された文章を集めた。手にとっていただきたい。


 とあった。また、どうでもよいことだが、気にかかったことは、「同人略歴」の青木空知(あおき・そらち)に、「歌誌『りとむ』にも所属」とあって、その「にも」の措辞にひっかかった。この「にも」は、あくまで、俳誌「トイ」所属が、メインです、と暗にほのめかしているようで、ここは、単純に気遣いなく「歌誌『りとむ』所属」でよいのではないかと、つい思ったりしたのだった。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。


  次の世も逢ひたし海鼠同士でも      干場達矢

  冬は寒し累世どこかで雨漏りし      池田澄子

  亡がらの帰り来し夜を後の月       青木空知

  ああ卵百個も割って未完成       樋口由紀子


  

★閑話休題・・津髙里永子「光もて子を孕みたし冬銀河」(「ちょっと立ちどまって」2021.11)・・


 今月の句から、


  無意識のひととき戦ぐ三十三才     森澤 程

  毛羽立ちて霜の線路へ火星の火      

  段ボール箱の本棚山眠る       津髙里永子



 芽夢野うのき「わかったわかったわやわらかいのね白いのね」↑

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