2020年10月15日木曜日

大井恒行「朋の死後わが死後秋の青空よ」(葛城綾呂・バルーン宇宙葬に寄せて)・・


 来る、10月18日(日)に「宇宙バルーン葬」をすると、葛城綾呂の愛妻から、便りがあった。

 101811時、場所は京急の六郷土手です。よろしかったら空を見上げていただけたら幸いです。

 と・・・。忘れやすい愚生は、葛城綾呂が、願わくば宇宙葬と言い残したと聞いていたことを忘れさっていた。。昨年、10月28日に訃報を聞き(享年71)、翌29日の本ブログ「日日彼是」に、それを記していた。その宇宙葬が行われるらしい。その日、晴雨にかかわらず空を見上げようと思う。「宇宙バルーン葬」というらしい。


 遺骨を粉末化して大きな風船に入れ、ガスを注入して空に打ち上げるのです。30分ほど漂っていると聞きました。

 

 ともあった。今、手元にあるわずかな「未定」より、若き日の彼の句のいくつかを、以下に挙げよう。


   目醒めむと西へ穴あく鯛の口      綾呂(「未定」創刊号・1978・12)

   花々も藁人形も添ひ寝せり         (「未定」第2号)

   蛇の肉静かの蛇となりて往ねり 

   屈葬や夕べ左手(ゆんで)に蝶来たり    (「未定」第3号)

   鬼籍にはわが名あれかし中止法

   姉似なる座敷わらしを折檻せり       (「未定」第4号)

   菜の花やしづと穹ゆく乳母車   

   ゆふがほを昇りつめたる蠛蠓童子      (「未定」第6号)


今時、かく格調ある句を作れる者が幾人いるであろうか。


★皆様への追伸・・・予報では晴天が望めず、せっかくだから雨天は避けたいとのことで、明日18日(日)のバルーン葬は延期。1週間後の25日(日)になりましたと、急遽連絡がありました。お知らせまで・・・。




★閑話休題・・・森須蘭「あめんぼう明日はいつも目分量」(「祭演」第61号)・・・

 自由句会誌「祭演」第61号(ムニ工房)、招待席は吉田千嘉子「水の秋」10句。特集は、「『祭演』」60号合同句集読むで、川名つぎお「29人の風を読む」、池田澄子による30句選、その他、安西篤・宇多喜代子・岸本マチ子・佐怒賀正美・しなだしん・田中亜美・対馬康子・鴇田智哉・中村和弘・藤本美和子による20句選。ともあれ、以下に「豈」同人メンバーの一人一句を挙げておこう。


   入道雲の余白自転車こいでいる      森須 蘭

   玩具屋が双方に売る水鉄砲        川崎果連

   ゲルニカに音を加える大夕立      杉本青三郎



       撮影・芽夢野うのき「少し晴れのちくもり落葉のきもち」↑

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