2020年10月30日金曜日

渡辺信子「落日を尖った肩の帰りゆく」(第18回ことごと句会)・・・



  第18回ことごと句会(10月17日、郵便句会)、雑詠3句+兼題「髪」1句。各自6句選7点持ち。前回に続き、獲得点数では圧勝の2連覇。いわゆる句会デビュー戦2連勝というわけである。その講評に、「不本意な一日を帰る・・純雄」「落日は季語ではないと思いますが、季感はたっぷり伝わります・・剛」「『尖った肩の帰り行く』が巧い!『落日』もいい!!・・幹」とあった。ともあれ、一人一句を以下に挙げておこう。

  

   行きすぎてしまえば枯れる曼珠沙華      渡邉樹音

   貌つくるせめて今宵の群れの中        渡辺信子

   秋刀魚焼く無頼の過去を煙(けむ)にして   武藤 幹         

   レジまでは遠し秋刀魚の目の光        江良純雄

   あの世は恍惚の胡桃になろう         照井三余

   筐底をさがせば秋の水に遭う         大井恒行



         撮影・武藤幹「石飛公也『五百年の民家』」↑

★閑話休題・・・訃報・たなべきよみ氏、10月28日(水)死去。享年74。・・・

 「ことごと句会」に参加していただいたこともあり、かつ、「遊句会」の先輩として、愚生は大変お世話になりました。ご冥福を祈ります。上掲の絵は、「遊句会」では、ともに研鑚を積まれていた石飛公也氏が「国分寺市民文化祭」(於・本多公民館)に出品された新作。ことごと句会での、たなべきよみの句を、以下に少し挙げておきたい。合掌。


   草に花風に生かされ風に死す        たなべきよみ

   白黒の写真の金魚真っ赤なり 

   ピアニスト見えぬ手で抱く赤い薔薇

   風死んで十秒切りに賭ける筋

   

 

 撮影・芽夢野うのき「ピラカンサ固まっているも美学なりけり」↑

0 件のコメント:

コメントを投稿