2020年10月4日日曜日

佐伯喜誠「山ひとつ背中にかつぎ冬耕す」(「俳句展望」第188号より)・・・



  第26回全国俳句コンクール(主催・全国俳誌協会)、ブログタイトルにした句「山ひとつ背中にかつぎ冬耕す」は、全国俳誌協会賞の句。二度目の受賞者だいう佐伯喜誠の「受賞のことば」の締めは、以下である。


 (前略)私の俳句の素材は、海・空・河そして村々の営みが中心です。老いゆく姿の中で一生懸命な人間が脳裏にあります。今、田舎の青田風がここち良く吹き抜けてゆきます。今後とも五七五の力を存分に生かしてゆきたく思っています。


 本誌本号には、もう一つの目玉ともいうべき第3回新人賞が発表されている。選者の陣容がなかなかで、それに見合う応募者層のようである。一人一句を挙げておこう。


  花冷えや精子は溶けた骨の色    横井来季(第3回新人賞)

  幼児期が虹の高さに架かったまま  丸太洋渡(新人賞準賞)

  星月夜あまつぶで貼る切手かな   本野櫻魚(新人賞特別賞)

          註:名の「魚」は、愚生のパソではこの字のみ。

  割箸はすごき棒なり遅桜    綱長井ハツオ(新人賞特別賞) 

  作品の一つは非売春の虹      笹岡大刀(神野紗希奨励賞)

  悴んでエレベーターが全部窓    中矢 温(鴇田智也奨励賞)

  燃えてゐる影にはどれも首がない  漆 拾晶(堀田季何奨励賞)



★閑話休題・・『十年目の今、東日本大震災句集 わたしの一句』を募集・・・

募集の趣旨について、宮城県俳句協会会長・高野ムツオは、以下のように要請している。


(前略)宮城県俳句協会では、東日本大震災の犠牲者を祈り、明日への一歩を刻む礎といsて、2013年と2016年に『東日本大震災句集 わたしの一句』を刊行することができました。

 来年3月で東日本大震災より10年が経ちます。

 この節目を俳句の力で掬い上げ、震災を風化させることなく未来へ伝えるために、ここ十年間に作られた震災に関わる俳句を全国に募集し、『十年目の今、東日本大震災句集 わたしの一句』をかんこうすることといたしました。被災や居住地、未発表、既発表を問わず、どなたでもふるって応募くださいますようご案内申し上げます。(以下略)


●応募作品 大震災後十年を句還る今日までの自作一句から三句まで。既発表可。

      応募者は原則もれなく一句掲載します。

      四六判ソフトカバー /内容は自由ですが、趣旨にふさわしい俳句に限ります。

●応募方法 B5原稿用紙や便箋など一枚の用紙に、①俳句三句以内 ②大震災当時の居住地―市町村名 ③氏名または俳号(ふりがな)、現在の年齢 ④郵便番号、住所、電話番号 ⑤句集購入希望の有無を問わず明記(一冊以上の場合は希望の冊数) *二句以上応募された場合は会長及び事務局が選を行います。

●応募料 無料。ただし、句集は一冊 1000円(送料共)で頒布。頒布希望者は、現金または定額小為替で、句とともにお送りください。

●応募締切 令和2年12月15日(火)

●応募先 989-2351 宮城県亘理町北新町23-13 坂下遊馬方「東日本大震災句集」係 電話090-2982-7230 主催・宮城県俳句協会



            撮影・鈴木純一「蟷螂は秋とて色を直しけり」↑

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