夜ごと掘る核シェルターや虫時雨 川崎果連
長月やぼくは吹雪の峠だった 川名つぎお
虫の音や火影の漏れに紛れ込む 小湊こぎく
遺影からバッハハ短調の記憶 早瀬恵子
いぼむしりひねもすシャドーボクシング 杉本青三郎
月の舟西へようそろ独り言(ご)つ 金田一剛
曇天の芒野叫ぶ気にもなる 伊藤佐知子
死に憑ける秋意とならん桂の樹 大井恒行
★閑話休題・・成沢洋子「稲田へと迸る潅水まぶし」(府中・中央俳句会ー府中市中央文化センター地域文化祭)・・
9月24日(土)、25日(日)は、府中市中央文化センター地域文化祭だった。その中に「府中・中央俳句会」という自主グループの短冊が飾られたコーナーがあった。愚生がコロナ前に、句座をともにした成沢洋子の句をみつけた。それぞれの短冊は名のみがしたたためられていたが、「ひろし」という名は、かつて議員だった常松ひろしであろう。以下に、数人のみになるが、句を挙げておこう。
秋めくやこれ程までに草の丈 洋子
はつかなる色を咲かせて草の花 由志美
コロナ禍や秋の孤独と向き合いて とみこ
団十郎朝顔に在る物語 ひろし
おしろいの漲る路地に夕明り けい子
空蟬の睡る葉裏として緑 康利
海鳴りに朝顔の紺波立てり 知子
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