2020年5月24日日曜日

髙岡粗濫「春愁が寝床の猫のかたちして」(第5回垂人杯争奪「メール&FAX題詠大会」)・・




 「第5回垂人杯争奪『メール&FAX題詠大会』結果のご報告」が届いた。題は➀「伝」、②「どこ」、③「ふじ」(③は漢字、ひらがな、カタカナ、表記は自由)。選は互選による松竹梅各1句と並み選3句の計6句選であった。

 松賞・・・・・春愁が寝床に猫のかたちして    髙岡粗濫
   次点句・・空耳や伝導率を問う河童      瀬間文乃
     ・・伝えたき言葉を胸に青き踏む    河村研治
   (△3句、決戦投票のため)

 竹賞・・・・・龍の字のどこに逆鱗黄砂降る    野口 裕

 梅賞・・・・・富士山を見ながら乾く下着かな  広瀬ちえみ

   特別賞1・・・藤垂れてぼくのいどころがないんだ 中内火星
   特別賞2・・・春愁の婦人科赤いべこがゆれ    佛渕雀羅
   
◎「各賞受賞の方々にはやがて副賞が届くと思いますのでお待ちください。次点句には副賞はありません」としたためられていた。ほかに「ご参加各位の選句結果およびコメント(掲載はほぼ到着順)」とあって、これが、皆さん、けっこう長いコメントを寄せられていて(愚生のごとき寸評ではない)、全部でA4紙に8ページにも及び、ほかに投票前の作者不明のときに執筆された?というこれも,各句すべての鑑賞(もちろん、自句も含めて)を鈴木純一が、これまたA4紙に、たっぷり12ページに及ぶ渾身の評(もはや寸評とは言うまい)「第5回垂人杯争奪『メール&FAX題詠大会』寸評」が送られてきているので、これらを読むだけでも、食事を忘れなければ、読了しない大部のものになっている。
 ともあれ、愚生の選んだ松竹梅と並み選3句は以下である。

  松・・・どこへでも行って死ねよと山笑う   新井秋沙
  竹・・・龍の字のどこに逆鱗黄砂降る     野口 裕
  梅・・・ほほえんで言葉は離陸していった  広瀬ちえみ    
  並・・・転舵して五月の富士を真正面     髙岡粗濫
  〃   半夏雨フジコ・ヘミングの襟飾り   坂間恒子
  〃   田鼠遺伝子組換へて鶉となる     鈴木純一

 愚生の全ボツの句は以下である。悔しまぎれに恥ずかしくも掲載しておきたい。

  「伝」・・伝・写楽春惜しみける眉目かな    大井恒行
       駅伝のさびしき駅が春の雲      〃
 「どこ」・・すかんぽや不死身の我とどこが違う   〃
 「ふじ」・・鷗など知らぬに祀る裏富士を      〃
       
 せっかくだから、題詠「ふじ」の本句のみ鈴木純一寸評を以下にあげておこう。

 カモメは見かけなかった。  
 山梨の人は「裏富士」とは言わないそうだ。日本一の富士の山、裏も表もあろうはずはない。ないが、少し悔しそうだった。負け惜しみに聞こえなくもなかった。ま、いいけど。
 経験からすると、裏富士の方がはるかに神秘的だと思う。特に真冬の、山梨側から見た富士は神々しい。

 負け惜しみついでに、明かしておくと、この句は、三橋敏雄「裏富士は鷗を知らず魂まつり」に想を得ている。もちろんトシオ・ミツハシ句には及ぶべくもないが、下手な挨拶句・・だったなぁ・・。



撮影・芽夢野うのき「黒業のなきこともなき花石榴」↑

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