2020年5月26日火曜日

益岡茱萸「先生も加わつてゐし毒流し」(「詩あきんど」第39号「第5回俳句俳文大賞」より)・・




 「詩あきんど」第39号(オフィスふとまにあ)は、2020宝井其角顕彰「晋翁忌」/第5回俳句俳文大賞(主催・NPO法人俳句&連句と其角)発表である。告知には4月4日(土)、上行寺に於て、開催される予定だった記念の句会は来たる9月30日に(水)に延期して開催されるという。選者は、星野高士、松下カロ、宮崎斗士、二上貴夫など。大賞は益岡茱萸(ますおかぐみ)、20句詠「パレード」、準賞は、十一(つなしはじめ)の俳文「蓮根」。ここでは俳文は掲載の余裕はないので、大賞・三席の一人一句を以下に挙げておこう。

   春光やガラスの内の硝子壜   益岡茱萸(大賞)
   冬あおく釣竿すっと輝いて  有瀬こうこ(三席)
   細雪しづかに風に身を揺らす  木幡忠文( 〃)
   日矢射してヤコブの梯子冬の海 木村 萄(〃 ) 

   
 二上貴夫の講評には、「第5回俳句俳文大賞は、二十句詠に41編、俳文に9編、合計50編の応募があり」とあって、「晋翁忌について」には、

 本賞のきっかけは、平成十八(二〇〇八)年四月一日、伊勢原市「上行寺」にて、宝井其角三〇〇回忌を修したことが縁で、その後、毎年「晋翁忌」の名称で俳句会や連句の座が上行寺にて催され、二〇一五年より現在の全国募吟の形になりました。

 と記されている。 ともあれ、「詩あきんど集1」より、一人一句を以下に挙げておこう。

   恙なく無観客試合春四番      二上貴夫
   年賀状「尚尚書」はなかりけり   中澤柚果
   風孕む水なき空の紙鳶       中尾美琳
   だるまさんころんだのかと桜守   立石采佳
   失われし白藤きつとハズリット   木村 萄
   これはまた古稀喜寿米寿初句会  佐野典比古
   チューリップ列へピエロの反戦旗  矢崎硯水
   春の雨ごとにポイント付いてくる  竹村半掃
   


芽夢野うのき「ヤシの木の花天帝にまた頼み事」↑

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