第22回ことごと句会(切手句会・3月20日付け)、事務局の金田一剛の便りのなかに、「コ・ロ・ナ」を重ねると「君」になる、とありました。出句は3句+兼題「流」1句の合計4句。ともあれ、一人一句と短評を以下に紹介しておこう。
桜の夜少し笑って少し泣く らふ亜沙弥
響き合う言葉を拾う弥生山 渡邉樹音
三月の水喋り疲れているらしい 江良純雄
いつからか冬木その気になっている 照井三余
薔薇剪るや血の一筋の流れけり 渡辺信子
春燈下ネイルサロンの不気味かな 武藤 幹
3・11から十年
四(し)の月は青人草で生きてやる 金田一剛
幼年や焦土にありしかの牡丹 大井恒行
一口コメント。ブログタイトルの句・「春浅し」→死んでいるがぼんやりしてしまったか。季語に型あるもの、色あるもの、の季語だと死んでいるのが活きて来るのでは…(亜沙弥)
・「桜の夜」→なんという事もなく書かれているが、そこが良い!「少し」が秀抜!(幹)
・「響き合う」→弥生山は、三月の山なのか、本当にある山の名前なのか。草摘みでも「言葉を拾う」がいい。(剛)
・「三月の」→三月の水で切れるのだが、中、下とつながってしまっているように感じた(亜沙弥)
・「いつからか」→冬のど真ん中あたりから既に春への準備は怠りなくはじまっていて…(信子)
・「薔薇剪るや」→この薔薇の色は、まったく「赤」でしょう。そして上五の「や」切り。薔薇を「剪る」の動詞をさらに強調する「や」。「や切り」に難癖をつけたがるわたしです(矢切のわたし)。(剛)
・「春燈下」→ぼんやりした灯に派手なネイルアート。魔界を垣間みた気がする。(純雄)
・「四(し)の月は」→作者はわざわざルビ「し」を振っているので、前書からして「死」を含ませていよう。青人草(あおひとくさ)は民草、人民のこと。「生きてやる」に作者の想いがこもっている、が、句としては「生きている」の選択もあったかもしれない。(恒行)
・「幼年や」→幼年に牡丹のクローズアップが良い。(樹音)ー楸邨に「火の奥に牡丹崩るるさまを見つ」。
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