2021年4月28日水曜日

阿部鬼九男「一睡の釣糸を垂れ吾むらさき」(『黄山房日乗』四月二十八日)・・・

 


                 1986年4月28日↑


二十八日、j・レ―『新カンタべリー物語』 連休慌しさ知らず、知らうともせず。

外来果実より始まった“吊し“の問題、引力に及ぶ。距離の二乗に反比例する力の、〈距離〉とは何か。天球如何に?


    一睡の釣糸を垂れ吾むらさき    阿部鬼九男



*『黄山房日乗』へ35年後の剽窃譚・・・

  

        4月28日(水)・・・晴のち曇


  鬼九男は行きつけの書店で見つけた、新刊のジャン・レー『新カンタべリー物語』(創元推理文庫・篠田知和基訳)を買ったのだろう。ジャン・レー(1887~1964)は、「人も知るベルギー最大の幻想作家である」(訳者あとがき)。また、「ジョン・フランダースの別名で主として子供向けの冒険譚を書きまくり、(中略)大げさに言えば一日に一冊くらい書いた作家である」(同前)という。

  「外来果実より始まった“吊し“の問題」は、本書18日のパッションサラダ、つまりパッションフルーツ(パッション・フラワーの実)ドレッシングサラダ由来で、パッション(Passion)は情熱の意よりも受難を表わしている(十字花の時計草=パッションフラワー、磔のキリストの徴)。ならば、いわゆる地上から想像される天球にそれは通用するのか?と問うているのであろうか。


      一炊の夏のとなりに汝と我   大井恒行  



       撮影・鈴木純一「母が食うバナナの黒くなったところ」↑

0 件のコメント:

コメントを投稿