1986年4月13日↑
十三日、マンハッタン・ジャズ・クィンテット(中野)フロントの切れ味、E・ゴメス好サポートなれど不満残る。
”新伝承派“と言はれてゐることは悪口と知るべし。この点、A・ブラクストンの方法を支持する。
「夜は千の眼を持つ」魂に出入り口 阿部鬼九男
*『黄山房日乗』へ35年後の剽窃譚・・・
4月13日(火)・・・曇のち雨
(中野)は中野サンプラザ。マンハッタン・ジャズ・クインテットは、スイングジャーナルとキングレコードの企画プロジェクトで、日本向けの活動が主だったらしい。1986年2月は3作目『マイ・ファニー・バレンタイン』でベーシストがアンソニー・ゴメス(元、ビル・エヴァンス・トリオ)だった。ただ、演奏に不満の残った彼は「この点、アンソニー・ブランクストン(フリージャズ)の方法を支持」と記している。
上句「夜は千の眼を持つ」は、かつて鬼九男は英語の教師をしていたこともあるので、イギリスの詩人、フランシス・ウィリアム・バーディロンの英詩『Light』のフレーズから拝借したのではないだろうか。また同名の小説、それを映画化したテーマ曲の題名でもあり、ジャズのポール・デズモンドのナンバーのことであるかもしれない。とはいえ、下句「魂の出入り口」のフレーズから、たどって思うと、「夜は千の眼をもつ」は無数の星のことであるとともに、昼はたった一つの太陽を象徴しているともいえよう。
魂の出入りの春やひかりは愛 大井恒行
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