2021年4月4日日曜日

阿部鬼九男「交易の〈私〉を鳥が飛ぶやうに」(『黄山房日乗』四月四日)・・・

 


                 1986年4月4日 ↑

四日、〈光・色・あふれて花〉糸大八個展。(横浜)会場で書肆麒麟処女出版の句集『青鱗集』贈られる。

拘るようだが、この稿、あるひは”〈私再生〉のためのノート”とならんか。


   交易の 〈私〉を鳥が飛ぶやうに      阿部九鬼男


*『黄山房日乗』へ35年後の剽窃譚・・・


      4月4日(日)・・・曇


句中「交易の 〈私〉を」は、「〈私再生〉のためにノート」の呼応していよう。

『青鱗集』(1986年刊)は、糸大八が書肆麒麟(澤好摩)の立ち上げの力になりたいという思いで上梓した句集である。聞くところによると、糸大八(いと・だいはち、1937~2012・3・9)は、札幌の大通公園ホテル(伊藤旅館??)に生まれ、高校生の時に結核により長期療養、その時、独学で絵を描き、20歳にして、早くも横浜そごうで第一回個展を開いた。37歳でメキシコに遊学、海外で活躍したという。札幌雪祭りのルーツと言われているイベントを学生時代に企画実行したらしい。病を得た晩年の10年ほどは、誰にも会っていない。病中の糸大八を励ます意味で、同人誌「円錐」の仲間たちが出したのが句集『白桃』(2011年刊)である。


    青鱗の光・色・あふれて花や大八や     大井恒行 



         撮影・鈴木純一「御影供や休眠口座そのままに」↑

0 件のコメント:

コメントを投稿