2021年4月3日土曜日

阿部鬼九男「キエフなる天門に聴く春の雨」(『黄山房日乗』・四月三日)・・・

                1986年4月3日 ↑


三日、M・ビットソン『ミニー・ザ・ムーチャー』(渋谷)

仁平勝『詩的ナショナリズム』贈られる。

卓越した評論があらわれると、作品行為はこれを凌どうとする。評論の帰結は”悲劇の解毒”にほかならない。


    キエフなる天門に聴く春の雨      阿部鬼九男


*『黄山房日乗』へ35年後の剽窃譚・・・


 当時、中目黒に住んでいた鬼九男は、国立のNHK学園に通勤する際、渋谷で井の頭線に乗り換えていた。愚生は、中央線乗り換え駅の吉祥寺の駅ビル「ロンロン」の弘栄堂書店に勤めていた。彼はたぶん、渋谷のユーロスペースで映画『ミニー・ザ・ムーチャー』を観たのだ。同曲名のジャズもある。句中のキエフはウクライナの首都、その北方にチェルノブイリがある。同年4月、そこの原子力発電所で、炉心爆発・溶融破壊、建屋破壊の事故が起こった。多数の死者と、諸国にまたがる放射能汚染をもたらした。

 仁平勝著『詩的ナショナリズム』は「豈」同人でもある冨岡和秀の冨岡書房より上梓された。


      4月3日(土)・・・晴


    春しずかキエフの門に核の雨      大井恒行



     芽夢野うのき「片足をあげしまま踊子草死んだ」↑

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