1986年4月17日↑
十七日、体調ふたたび下降気味。月評の材料整ふ。俳論、相も変わらずつまらぬ自然合一ばやり、句誌抛る。
菜畑に蝶は自然だが、庭に犬は不自然と言ふ如し。目薬的自然愛。当方、十二指腸にメサフィリン。不自然しよう。
率直(フランク)に藤擬きヴァントゥイェのそなた 阿部鬼九男
*『黄山房日乗』へ35年後の剽窃譚・・・
4月17日(土)・・雨
下句部分の「ヴァントゥイェのそなた」は、愚生がかつての若き日、全く読み通せなかったマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の中に出て来る架空の作曲家の名である。どうやらそのCDが出ていて『ヴァントゥイェのヴァイオリン・ソナタ』というらしい。ただ、このCDは、後世の人(マリアとナターシャというミルシュテインの姉妹)が選んだ楽曲で構成・演奏されていて、某氏曰く、その演奏が実に素晴らしく、音楽で綴った「失われた時を求めて」を妄想させる、という。であれば、句中の「藤擬き」もうなづけるというものだ。「藤擬き」という花も丁子桜(チョウジサクラ)の別名で、その花は有毒で、薬草にもなるらしい。もとよりジンチョウゲ科だから芳香。
今夕、新型コロナウイルスの国内感染者は4802人、4日連続で4000人を上回り、2回目の緊急事態宣言が解除された3月22日以降で最高となった。大阪府は5日連続で1000人を越え、重症者病棟は昨日から満床を超えてしまっている。東京都も759人で2か月ぶりに700人を上回った。我が府中市配信メールによると、高齢者向け、今回の960人分は、二つの接種会場でのすでに定員に達し、今後順次接種券を発送とあった。
合一に届けよ丁子桜また藤擬き 大井恒行
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