1986年4月8日↑
八日、ウイーン・オペラ『薔薇の騎士』(上野)平均的歌手陣ながら、得意の演目に手だれの妙味満喫。
このオペラにはなかなか批評が達しない。登り口はいくつもあるが、吟味していくことと到達点とはいつも違ふ。
薔薇疹!鳥の顔の少年を吐(もど)す 阿部鬼九男
*『黄山房日乗』へ35年後の剽窃譚・・・
4月8日(水)・・・晴
(上野)とあるのは、東京文化会館。阿部鬼九男は上演されるオペラの殆ど、また、コンサートには必ず出かけていた。彼は、住まいのある地名を冠にしたハガキ通信(「からすもりつうしん」など、最後は「とよがおかつうしん」)を不定期に数多く出していて、それには、映画、音楽、絵画、旅行記、書評など、内容は高尚すぎて、愚生には到底ついていけなかったが、付き合いのあった立風書房の宗田安正は、売れないだろうが、本にすれば、博覧の貴重な批評集ができる、と言っていた。
句は「薔薇疹!」と「!」付されているくらいだから、梅毒性バラ疹のことであろう。何らかの比喩の表現と理解した方が良さそうである。「鳥の顔の少年」も意味深である。
かゆみも痛みもなく肛門愛にたどりつく 大井恒行
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