2018年8月25日土曜日

田口辰郎「浪が泣く八月死者を海に抱き」(第49回原爆忌東京俳句大会・大井恒行特選句)・・



 去る8月11日(土)、北とぴあ・ペガサスホールで開催された第49回原爆忌東京大会作品集が送られてきた。ブログタイトルにした句は、愚生が選んだ特選句で、1402句中で唯一愚生のみが選んだのだが、他の高点を獲得した句にけっして引けをとっているとは思われない(田口辰郎は他の句で、「平和を愛する俳人懇話会賞」「全国俳誌協会賞」もダブル受賞している)。という意味も含めて、以下に大会賞作品も挙げて愚生のせめてもの顕彰としておきたい。

    (東京都知事賞)だんだんと本気になって鶴を折る 秋田県 小林万年青
   (現代俳句協会賞)兜太死すいまも火傷のの爆心地  山口県 佐伯喜誠
(第五福竜丸平和協会賞)原爆忌つくづく老いし膝がしら  静岡県 大場弌子
      (東友会賞)家系図の先を書き足す原爆忌   東京都 曽根新五郎
     (東京新聞賞)ひるまの月白く光る兜太が死んだ 静岡県 望月房義
   (新俳句人連盟賞)なわとびの輪からいち抜け爆死の子 神奈川県 菅谷かしこ 
  (口語俳句振興会賞)どの子にも無限の空や原爆忌   埼玉県 古郡孝之
(平和を愛する俳人懇話会賞)祈るため生きて八月老いてゆく 大分県 田口辰郎
   (全国俳誌協会賞)爆死者の闇にきれいな水を打つ   大分県 田口辰郎 

 因みに節目の来年の第50回原爆忌東京俳句大会は、今年と同じ北とぴあで8月10日(土)に行われる予定である。




★閑話休題・・
上記「原爆忌東京俳句大会」にも「口語俳句新興会賞」というのがあったが、その口語俳句振興会(代表・田中陽、事務局・萩山栄一)の会報「原点」No.1によると、去る5月26日(土)に静岡県島田市・プラザおおるりに於て、「主流」創刊75周年記念俳句大会と併催で発会式が開催された、とある。その事業として「口語俳句〈第一回〉作品大賞」を募集している。一編でも多く優れた作品に出会えることを期待して、以下にその要綱を列記しておこう。

・主催 口語俳句新興会 後援(株)文學の森
・募集作品 二十句(一篇)。2016年以降現在までの作品。既発表・未発表を問わない。
・参加資格 制限なし。
・参加費用2000円。句稿に同封(小為替)または郵便振替(00850-0-185086 金子徹)にて
・送稿要領 B4400字詰原稿用紙を使用。右欄外に表題を書き、20句。別の200字詰原稿用紙に表題・作者名・所属・住所・電話番号を明記。
・授賞 作品大賞一編・奨励賞若干篇。
・選考発表 口語俳句新興会会報「原点」第二号誌上。
・送り先 〒417-0014 富士市鈴川西町1-17-4 金子徹方 作品大賞選考委員会
      電話(FAX)0545-33-0659
〈口語俳句 作品大賞選考委員〉
  秋尾敏・安西篤・飯田史朗・大井恒行・岸本マチ子・谷口慎也・前田弘ほか旧「口語俳句協会賞」選考委員。
    


           撮影・葛城綾呂 アゲハ羽化中↑

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