2014年1月2日木曜日

「季刊俳句」・・・


昨日、1月1日は高屋窓秋忌だった。
確か、人日に行なわれた葬儀は、雪まじりの寒いだったよね、とある人に話したら、いや、寒い日だったがよく晴れていた、と言われた。
それでは、愚生の記憶違いなのだろうか。そういえば、三月下旬だった折笠美秋の告別式は霙だったように思ったが、それとゴッチャなってしまったのだろうか。
それにしても元日に亡くなるなんて、いかにも窓秋さんだな、とわけもなく思ったことは確かだ。
三鬼の4月1日も・・・

    歳旦の箸置きいくつ窓秋忌       恒行

ところで、今日は「季刊俳句」をとりあげよう。
発行・編集人は宮入聖。創刊号は1983年12月1日。冬青社刊。
創刊号巻頭は「未刊句歌シリーズ1」とタイトルして、約300句の誌上句集『未完の季節』津沢マサ子。
    
    烈日を天に見送るちぢれ髪          マサ子

その他執筆陣は、
    
    寝室に根を梟(さら)しけり風信子(ヒヤシンス)  下村尤二
    杜若信徒を繋ぐ遠き景               加藤千晴
    
小海四夏夫は50首、

   家宅捜索の突風過ぎしあかときに想はるるかな 戦後 その愛   四夏夫
   「ふるさとは九月」とわれもすこやかに想ふべきかや黄の雨脚に
   
   憂き春の臆面もなき神遊び              大野美紗代
   ひまわりの影にはあらず人柱              鈴木紀子
   聖餐図イエスを闕(か)きて鎮まれり           塘 健
   あわあわと鮒にうまれて口ひらく            森 獏郎
   惑星のごとき憂鬱二月尽                若土隆博
   惜春やことばの蝶を蝶結び               大屋達治
   
その他、評論に藤原月彦「聖エロス頌ー宮入聖句集『千年』に寄せて」、宮入聖「榎三吉の俳句ーひょっとしたらこの作品は放哉・山頭火以上かもしえない」、塚越徹「小海四夏夫ノート―小海四夏夫全句歌集『野桜のうた』によせて」など。

   蛇捕りやいつ蛇に逢ふ夏の午後           宮入 聖
   背泳ぎで友皆んな去る夏の闇   

愚生らの眼前から姿を消してしまった宮入聖は、創刊号「編集後記」に次のように記していた。
 「今日の詩歌と詩歌人をめぐる状況とは最悪であるとの認識にたち、商業主義やセクト主義に夫陥った詩歌総合誌、玉石混淆の仲良倶楽部と化した結社・同人誌とあくまで一線を画し、孤高を貫いてまいりたいと思います」。
今、この宮入聖に、蛇笏に心酔した評論集『飯田蛇笏』、また、人間国宝の刀工・父宮入行平とその妻を描いた小説『火褥 刀工宮入行平とミヨ子の生涯』の一本があることを多くの人は知らない。
                  スイセン↓

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