2014年1月4日土曜日

黄山房新年会・・・


          「地表」同人だった高桑冬陽の絵が書棚の上に↑

    さても発端プロトプテルスの乾睡     鬼九男

阿部鬼九男(あべ・きくお)に『黄山房日乗』(端渓社・1986年8月)という第5句集がある。
彼の句集は第一句集が『環』、第二句集が『櫻襲』、第三が『天秤宮』と続くことからお分かりのように句集名は一字づつ増えて行く。この伝で、第四句集は『夏至殺法』である。
現在の住まいは京王永山駅から少しバスで入った小高い山にある。
そこに新年会を理由にして、阿部鬼九男のあれこれの話しを聞きたいと、酒巻英一郎、田沼泰彦、吉村毬子、救仁郷由美子と愚生が訪ねた。
例えば、黄山房日乗の集名に潜んでいる誰彼を訪ねたところ、先師・三鬼、そして赤黄男までは当然としても、なかに、面識のあった日夏耿之介も含まれていることが知れた。
『黄山房日乗』は1986年4月1日から5月末まで2ヶ月間の2ヶ月の記録と日々の一句が収載されている。
例を一つあげると、

  「三日、M・ビットソン『ミニー・ザ・ムーチヤー』(澁谷) 
  仁平勝『詩的ナショナリズム』贈られる。
  卓越した評論があらわれると、作品行為はこれを凌ごうとする。評論の帰結は“悲劇の解  毒”にほかならない。
  
  キエフなる天門に聴く春の雨    」

少し恥かしいが、記憶を確認するために愚生の登場する5月2日も載せてしまおう。

  「二日、吉祥寺弘榮堂〈現代俳句ブックフェア〉開催。出品のため、大井恒行に句集届け  る。「騎」も陳列しあり。
  被告席に有ると言ふより、這ひつくばつた句集、論集はカイヤウ青年団の如し。知の戦   略者たちよ!               

  餡中の暗殺急ぐ世の嬌たれど   」 

鬼九男手ずからの料理をいただきながら、酒巻英一郎提案で、これを機に春夏秋冬の良い時期に訪問をしたいと申し出、鬼九男大人やむなく喜んでといわざるを得ず、次ぎは3,4月に・・ということにあいなった。
すでに日も落ち、オリオンとともに、西空には上弦の繊月がかかっていた。 
  

 

1 件のコメント:

  1. 大井さま
    「日々彼是」拝見しました。知らぬうちの早わざでした。ここんとこ‘猫招き’の状態、「つうしん」数回分は、「Baron Cat のできるまで」が続きます。  鬼

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