2014年1月3日金曜日

中央書院版「季刊俳句」・・・


正月も速いものでもう三日である。
TVは箱根駅伝を流している。

ともあれ、昨日とは別のもう一つの雑誌「季刊俳句」を取り上げておきたい。
堀井春一郎責任編集と銘うたれている。
奥付は昭和48年10月15日発行。協力・齋藤愼爾。
目次柱には「時代の詩のありかを多角的に問う、俳句を中心とする文学・芸術誌」と宣言されている
表紙絵はつげ義春。グラビアが朝倉俊博。巻頭の50句は加藤かけい。新しい作家としての30句は和泉加津子。
他は、赤尾兜子、坂戸淳夫、清水径子、蔦悦子、藤村多加夫、川端鱗太、矢部侃、花谷和子、飯倉八重子、加藤一郎。連載評論エッセイに飯島晴子、橋本真理、中井英夫。
対談は五木寛之と塚本邦雄。連載小説に須永朝彦。
季評欄として詩壇は清水昶、美術は谷川晃一、工芸は村山武、歌壇は佐佐木幸綱、映像に冨士田元彦。書評者に西岡武良、高橋康雄、三橋敏雄などの懐かしくも錚々たるメンバーが並ぶ。
独吟歌仙・相澤啓三。
堀井春一郎も30句を寄せている。
招待席には詩作品が吉岡実、短歌は葛原妙子。
70年代以後、後にも先にもこれだけのボリュームと内容のともなった総合誌は見つけがたい。
しかし、この雑誌は堀井春一郎の急逝によってわずか三号のみを発行して露と消えてしまった。

     行状記蟇が微笑を湛えけり        加藤かけい
     あそび死してその墓に揚羽招(よ)ぶ  和泉加津子 
     石で埋め野壺に秋の傾けり         清水径子
     地が炎えをり掌なる銅貨のひそかな傷  藤村多加夫
     星月夜かなけものみちけものゐず      蔦 悦子
     螢火のはてはありけり水の牢        坂戸淳夫
     数々のものに離れて額の花         赤尾兜子
     まぼろしの鶴は乳房を垂れて飛ぶ     堀井春一郎
     手の鍵に五月の百足はいまわる       川端鱗太
     八月はもっとも遠い父との距離       加藤一郎
     さみしさに叶ういちめん黄の河骨      花谷和子
     案山子つくる手の上げ下げに諍へり   飯倉八重子
     ねむるなり樹下へあつまる絵日傘は    矢部 侃
                        ジャンボユズ↓

2 件のコメント:

  1. 出版社を変えて4号も出てますよ(1975年6月)。

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  2. 匿名様貴重な情報をありがとうございます。

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