2018年9月24日月曜日
川島紘一「天変(ぺん)に秋の思ひの調(ととの)はず」(第183回遊句会)・・・
過日、20日(木)は、第183回遊句会(於:たい乃家)だった。ブログタイトルにした句には、今年の天変地異への思いが込められ、連衆の共感を多く得て、圧倒的多数の票が入った。いわば時事的な句だが、愚生はかつて「俳句はなべて機会詩である」という主張を某雑誌に書いたことがあるが、機会詩として、時事的なことがらがたくまず詠み込まれていた。今月の兼題は、菊・露・秋思・当季雑詠。
ともあれ以下に一人一句を挙げておきたい。
主逝きて部屋の寒さや菊香る 前田勝己
当分は菊の移り香その鋏 村上直樹
クモの巣の美しきを知る朝の露 天畠良光
そり返る爺の眉毛や菊自慢 石原友夫
ウチナーの記憶(おもい)の菊に棘(とげ)なきや 山田浩明
背伸びして幼児別れの菊一輪 橋本 明
葉脈をすべって遊ぶ露の玉 中山よしこ
埴輪(はにわ)にも秋思の面(おもて)ケセラセラ たなべきよみ
菊三輪ガードレールの事故の跡 植松隆一郎
大小の空回転す露の玉 川島紘一
観音の指より落つる秋思かな 山口美々子
猫ひたひ白黄赤あり菊日和 石飛公也
白河の関越へ吹き初(そ)む秋の風 渡辺 保
ふるふると内緒話や風と露 原島なほみ
菊の花ただの花では済まぬ國 武藤 幹
白き菊母を包みし楠緒子のごと 横山眞弓
お地蔵の赤き頭巾や露の朝 石川耕治
一本の指に悲鳴の秋思かな 大井恒行
☆欠席投句者・・・
味無きもの味はふをかし秋思かな 林 桂子
鉢裏に迷い込んだり菊花展 春風亭昇吉
光陰や昭和平成秋思う 加藤哲也
次回の兼題は、秋晴れ・墓参・渡り鳥と当季雑詠。また、次回の句会当日10月18日は、遊句会創設者の孫太郎宗匠の祥月命日にあたるそうで、有縁の方の墓参もある。
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