第30回・(メール×郵便切手)「ことごと句会」(2021年10月30日付け)、雑詠3句、兼題「石」1句。今回より、杦森松一氏が参加されることになった。よろしく、お願いします。以下に一人一句と短評を抄出しておきたい。
手花火や秘めし言葉の先に落つ 武藤 幹
草紅葉戦の響きそのままに 江良純雄
山葡萄潰す生き方一人かな らふ亜沙弥
やんま来て石に目鼻を描く日和 渡邉樹音
鰯雲てんてんてんてん量子論 金田一剛
坂の燈枯れゆくものとして祈る 照井三余
月今宵旅人と詠む気比の月 杦森松一
星ぬれぬれとして身から刃の抜けて行く 渡辺信子
石にして遺書継承す王の国 大井恒行
・「秋色を・・」ー「秋色を着る」石。それは石の上の落葉なのでしょうか。そこはかとなく秋を感じる風情に佇む石は黙の哲学者。情景も美しい(樹音)。
・「手花火や」ー多分線香花火でしょう。どうしても火の玉のブルブルを無言で見つめてしまいますね(信子)。言いたいことを花火の燃えかすが代弁してくれた、と感じる。ストレスがポトリと落ちる(純雄)。
・「草紅葉・・」ー一面の草紅葉。戦国武将の血で染められた、歴史もあったか!?(幹)
・「山葡萄・・」ー昔から自生しているブドウに敬意を払いながら、自分の存在を主張している、人間の強さを感じさせます(松一)。
・「やんま来て・・」ー中七「目鼻を描く」がユーモラスな光景(恒行)。
・「鰯雲てん・・」ー何度、調べてもわからない量子論だが「てんてんてんてん」が目に浮かんだ、それだけで良いと思った(亜沙弥)。
・「坂の燈・・」ー一番悩んだ句。「枯れゆくもの」の起点・視点がよくわからないのですが、何故か惹かれた句(樹音)。
・「月今宵・・」ー旅人と、と(ふたりで)詠まないで、旅人として一人詠みのほうがいいと思いました(剛)。
・「星ぬれぬれ・・」ー星ぬれぬれ・・・この感覚が好きだ(亜沙弥)
・「石にして・・」ー願わくは、よき王のよき遺言でありますように!(信子)。
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