府中市生涯学習センター・秋季講座「現代俳句」の二回目、前回に、当季の席題「紅葉」「小鳥来る」を出していたので、句会模様に進行し、その間に、現代俳句の若き二人だった攝津幸彦と田中裕明を紹介する予定だったが、全体では、時間不足気味で、次回以降にでも続けていきたい。次回、三回目は11月11日(木)、宿題は言葉「朋・友」をキーワードにして、無季の句を一句と11月は冬季に入るので、冬の句を一句、合計2句を持参することになっている。
句会模様にして、その実践のなかから、歳時記のことや、仮名遣いや俳句の歴史などを、実際に、その場で出された句を契機にして進行させているので、いわば、でたとこ勝負的になっている。スリルがあって、反応が良いとなかなか楽しい。もっとも無季の句を作ってもらうのは、逆に、いかに有季定型の句が自由に作れるかということを体験してもらうことでもある。最後に自由律で作ってきてもいいか?と質問されたので、もちろん自由律でもかまいません、と言った。ともあれ、以下に、本日の一人一句を挙げておきたい。
青空をキャンバスにして紅葉映ゆ 清水正之
小鳥来るパン屋の屋根の青緑 井上治男
小鳥来る赤い実ひとつ忘れもの 井上芳子
朋(とも)逝きてわれ何せむぞ紅葉散る 濱 筆治
紅葉谷路線バス行く急カーブ 長谷川和子
夕暮れの銀杏一樹に小鳥来る 壬生みつ子
あか子抱き紅葉のような手を包み 吉永敏子
いつ帰る尋ねる母に小鳥来る 杦森松一
枯枝のモビールゆれてかすかにつた紅葉 山川桂子
こどもの手もみじいっぱい夢のせて 大庭久美子
小鳥来て母の面影すがすがし 久保田和代
小鳥来る何もしなくてよい日かな 大井恒行
撮影・中西ひろ美「よさそうな所にて秋談笑す」↑
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