2021年10月31日日曜日

樋口由紀子「押し入れは言いたいことを言うべきだ」(「What’s」創刊号)・・・

 

「What’s」(編集発行人 広瀬ちえみ)、「『What’s』創刊のごあいさつ」には、


(前略)川柳人だけでなく俳人も参加してくださいました。お互いのジャンルを斜めから眺めているより、ごちゃ混ぜの一冊になったら楽しいのではないかと思いました。

 人生において「あれかこれか」の選択をしまければならないとき、私は決して熟慮の末ではなく、おもしろそうな方をを選んできました。会員のみなさんも(たぶん熟慮せずに)二つ返事で参加してくださいました。


 とある。その他、エッセイには叶裕「瑞々しい終幕/『杜Ⅱ 杜人同人合同句集』を読む」、月波与生「『そら耳のつづき』を読んで」、兵頭全郎「はれときどき妄読」、広瀬ちえみ「『々々くん』って後ろから肩をたたいたら」がある。ともあれ、以下に、本誌より、一人一句を挙げておきたい。因みに、ブログタイトルにした句の樋口由紀子は招待作家である。


  チンドン屋どうすることもできなくて     樋口由紀子

  たましいのつまみどころを忘れた日       水本石華

  今しか見ないからずっと目がきれい       竹井紫乙

  老眼鏡で宝の地図は見えたかい         月波与生

  会いましょうわたしを消してあなたを消して  佐藤みさ子

  爽やかや何枚も空剥がされて          川村研治

  なんのはずみか十五夜は上機嫌         妹尾 凛

  溺れてはいけない澄んだ水などに        鈴木節子

  年寄を楽しむ死ぬのも楽しみ          中内火星

  もういいか死立て直しがききません      鈴木せつ子 

  たいへんな局面どこいった蓋は         浮 千草

  かわせみの垂直という方法           野間幸恵

  新型コロナ暖房器具ではありません       鈴木逸志

  体のなかの音組み立ててから起きる       加藤久子

  しょうこりもなくそうぞうをうらがえす     兵頭全郎

  夏休み 朝顔日記はじまりぬ         高橋かづき 

  秋だわね総理が何と言おうとも        広瀬ちえみ

  ゑのころや尻に敷きたる求人誌          叶 裕  



     撮影・中西ひろ美「友だちとふざけてもみた冬隣」↑

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