2018年4月14日土曜日

徳吉洋二郎「春はあけぼの『ペガサス』の翔びたたん」(「ペガサス」創刊号)・・



「ペガサス」(代表・羽村美和子)創刊号の「創刊の言葉」には、

 俳句同人誌『ペガサス』は、個性や表現の自由を尊重し、互いに研鑽し合う場とする。おもねることのない一句を創造し、新しい俳句文芸の一歩とする。

 ギリシャ神話によると、ペガサスは最高神ゼウスのために雷霆を運び、蹄で地を蹴って多くの泉を噴出させたという。私達の俳句も、時には雷霆のごとく、時には泉のごとく、そして何よりも自由に翼を羽ばたかせるごとくありたいと願う。

とある。同人の中には「豈」同人の羽村美和子と中村冬美がいる。「像」(高井泉主宰)終刊ののち、約20年間、粘り強く句会を続けられてきたようである。まずは新しい門出を寿ぎたい。それについて中村冬美は、

 今でも忘れられない先師高井泉の「この句は日記の端にでも書いておきなさい」の一言と、羽村代表の「俳句にも詩情が感じられなくては」を二本の柱として、微力ながら頑張ってまいりたいと思います。

と記している。一句献上!

  ペガサスの翔ばんと春の盛りなり   恒行

ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。

  鬼やらい出口のようで入口で      浅野文子
  東京メトロ地上を走り神の留守     篠田京子
  悴んで白紙いつまでも白紙      瀬戸優理子
  知るや君雪に呼吸のありしこと     高畠葉子
  天上大風休耕の畦青む        徳吉洋二郎
  縄梯子のぼる端から消えてゆく     中村冬美
  自由と銃からみ合ってる烏瓜     羽村美和子
  落日にまっすぐ枯れて「く」と曲がる  樋口博徳



           撮影・葛城綾呂  ツツジ↑   

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