2019年4月20日土曜日

武藤幹「風に乗り囀り届く獄舎かな」(第190回遊句会」・・



 一昨日、4月18日(木)は、第190回遊句会(於:たい乃家)だった。兼題は、囀り・山葵・卯波。一人一句を以下に挙げておこう。

    アートでディレクター「石飛公也」曰く
  山葵には明朝体が良く似合ふ       村上直樹
  卯波立つ灯台守のいた岬        中山よしこ
  囀りも訛(なま)りて聞こゆ鄙の宿    橋本 明
  災八年破船を洗う卯波かな        川島紘一
  とは言えどチューブの山葵の恋の果て  原島なほみ
  えべっさん卯波に乗って鯛を抱き     渡辺 保
  囀りをぬけて牧野の牛帰る       山口美々子
  山葵にも瞬間芸となる甘み      たなべきよみ
  幸あれと卯波にのりて令和来ぬ      石川耕治
  今は凪(なぎ)辺野古竹島卯波立つ    天畠良光
  「生検」の白黒つく日卯波立つ      武藤 幹
  カフェテリア言葉途絶えて卯波立つ    山田浩明
  囀りや忘れられたる遊園地        石原友夫
  卯波これフィッシュボーンアンテナに似る 大井恒行
   
☆番外欠席投句☆

  島を出る子等追ひかける卯波かな     林 桂子
  卯波立つペットボトルのサーフィン    加藤智也
  信濃来て蕎麦の切れはし新わさび    春風亭昇吉
  囀りにとけいる森の青さかな       前田勝己

番外欠席投句の一句目「島を出る」には、出席者中、圧倒的な11名の票を集めた。本句会、欠席投句史上最高得点とのことだった。次回、191回遊句会の兼題は、薫風・風呂・牡丹。




★閑話休題・・江良純雄「陽炎の向こうで鴉魔女となる」(元夢座第三回定例句会)・・


 愚生も、このところ句会への参加が少し増えて(もちろん、俳人としては、他の人達に比べて圧倒的に少ないのだが)、本日、4月20日(土)も、元「夢座」のメンバーと句会をした。
 1987年3月、紀伊國屋書店地下のカレー屋で発足した「夢座」句会が、先日、31年の歩みに一区切りつけて、解散し、元夢座句会のみは継続されている。近々、ニュースタートを切るための会の名、運営方が決まるらしい。元「夢座」代表の渡邉樹音は、投句せず、選句のみの参加だった。雑詠3句持ち寄り、席題一句は「鴉・烏」。
 以下に一人一句を挙げておこう。

   あらぶきしとどまりにほふ三椏の花    照井三余
   五月病まさかの眉の置きどころ      江良純雄
   銀幕に春の雪降るエンドロール      銀 畑二
   うとうとに烏兎怱々よ春の母       大井恒行

 次回は、5月18日(土)、ルノアール小滝橋店にて開催予定。




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