こどもの城跡・岡本太郎作品↑
旧暦12月25日(本年は2月10日)は春星・蕪村忌↑
撮影・渡辺保
先日、2月15日(木)は恒例の遊句会(於:たい乃家)だった。うっかり会場風景を撮り忘れてしまったので、同日昼間に通りかかかった場所にあった岡本太郎の作を掲げ、さらに句会のあとの二次会で、二時間にわたり蕪村の蘊蓄を披露して倦まなかった渡辺保に敬意を表して、彼の撮影した蕪村関連の写真を上掲にしました。
ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。兼題は、雨水・野焼・鮟鱇であった。
雨水あり水車ゆるりと廻り出す 天畠良光
綻(ほころ)ばぬ蕾(つぼみ)を叩く雨水かな 川島紘一
阿蘇野焼き火の国の原空(そら)近し 春風亭昇吉
雨水なる節気に惑いコート替え 山田浩明
野を焼いて持論放棄の日となせり 武藤 幹
鮟鱇に負けぬ大口熟女鍋 橋本 明
吊鮟鱇身を削がるとき目の寄りぬ 石原友夫
水戸っぽの議論沸騰鮟鱇(あんこ)口 渡辺 保
熟睡の黒土起こす雨水かな 山口美々子
咎(とが)なくて鮟鱇吊るし刑に死す 村上直樹
三拍子キラキラ窓打つ雨水かな 中山よしこ
雨水(うすい)また雨水(あまみず)と読み温みける 大井恒行
欠席番外投句は、
履歴書の楷書光りて雨水かな 林 桂子
骨折の患者の減りて雨水かな 原島なほみ
葉を包む冷気を払う雨水かな 石川耕治
次回、3月15日(木)の兼題は、春雨・目刺・燕と当季雑詠。
★閑話休題・・・・
遊句会の翌日、2月16日(金)は、アルカディア市ヶ谷で行われた第32回俳壇賞・第29回歌壇賞の懇親の集い(本阿弥書店)に出席した。旧知の方々とも久しぶりの再会を喜んだ。この歳になるとそのような気にもなるものである。ともあれ、以下に各受賞者の二句、二首を紹介しておこう。
穂絮ぶ笠がけ馬の駈けし野を 篠遠良子
的を射る九月の畳軋ませつ
なにゆゑに逃げざりしかと問われゐつ共犯を追い詰むる口調に 川野芽生
つきかげが月のからだを離るる夜にましろくひとを憎みおほせつ
0 件のコメント:
コメントを投稿