2018年2月27日火曜日

田付賢一「わが憎悪ついに許さず母を焼く」・・・



          マブソン青眼が送ってくれた
                    信濃毎日新聞記事↑


           左より田付賢一、望月至高↑ 

 昨日は、25日「俳句弾圧不忘の碑」(上掲新聞記事)の除幕式に参加した鈴木六林男の晩年の弟子・望月至高が、帰路東京に寄り、現代俳句協会事務所で愚生と待ち合わせをしたのだった。
そこで、望月至高『俳句のアジール』(現代企画室)が「現代俳句」3月号・ブックエリアに掲載されたお礼かたがた、編集長の田付賢一に挨拶も兼ねていたのである。
 詳しくは、その書評を読んでもらうのが手っ取り早いのだが、『俳句のアジール』は望月至高の『辺縁』(その時の号は雅久)に続く第二句集である。散文(大道寺将司句評・吉本隆明追悼・唐牛健太郎の思い出、戦死した叔父の軌跡を追求するなど)をも収めた一書だった。

   宝船兵器兵隊満載し         至高
   派遣労働者累累と卯の花腐しかな
   地震(ない)のあと子らは笑うよ春泥に
   オスプレイ轟轟と来て梯梧咲く 
   花篝ほどよく昏きナルシスト

 などの句がある。また、三人での現俳協近くでの茶飲み話の際に、渡邊樹音句集『琥珀』の跋文でお世話になった田付賢一に、以下のような母恋の句があることも初めて知った。

   遭うために母は銀河の駅に佇つ     賢一
   背泳ぎの母がいそうな夏銀河
   終りなきテロの連鎖や神無月
   戦さ知らぬままに育てよ菖蒲の日
   ごろんと林檎不発弾かもしれず




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