第3回口語俳句作品大賞(口語俳句振興会)は、11月23日(月・祝)に島田市「プラザ・おおるり」で最終選考会議を開催し、口語俳句作品大賞に、杉本青三郎「朝」が選ばれた。その他は、奨励賞として6名、鈴木和枝「自分への丸」、きむらけんじ「我が影」、細根栞「おつむてんてん」、黒瀬文子「足跡」、うとうこう「最愛」、堀部節子「月光」が選ばれた。
詳細は、これから発表されると思うが、杉本青三郎は「豈」の仲間でもあり、嬉しいかぎりだ。以前の口語俳句協会のときの大賞には、同じく「豈」の羽村美和子が受賞していたように思う。縁があるというべきか・・。ともあれ、受賞作のなかからいくつかの句を以下に挙げておこう。
森中が泡のかたまり鳥交る 杉本青三郎
私が私を探す部屋に啓蟄
春泥の青は詩人がみな盗む
時間になると滝になる少女たち
ゲルニカに音を加える大夕立
河骨の黙視すみずみまでまひる
シェスタの唐黍畑から戦車
葉牡丹が空を回してくる朝
愚生も選考委員の一人だったので、手許に応募稿がある二位と三位の方の句を挙げておこう。
一番膝が老いている歩行者天国 鈴木和枝
これ以上望まない田水ひたひた 〃
子の画用紙からキリンはみ出る五月 きむらけんじ
職にない手を子が繋ぐ 〃
くちなわがくるぞ焦げくさくなるぞ 関根栞
強がってみるがぽたぽた落ちる青栗 黒瀬文子
名もない花はない名もない花がよい うとうこう
ときどきオスプレイ本家の鯉幟 堀部節子
芽夢野うのき「うたかたならうたかたらしく舞う山茶花」↑
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