2021年5月15日土曜日

阿部鬼九男「一日が千秋である 峠のごとき疣」(『黄山房日乗』五月十五日)・・・

 


                  1986年5月15日↑


十五日、このところ「中央公論」充実。山崎正和「日本文化の世界史的実験」鉤多くして益。

自転車の抒情、飛行機嫌ひのR・ブラッドベリが愛用しているのは自転車なのだ。


    一日が千秋である 峠のごとき疣     阿部鬼九男


*『黄山房日乗』へ35年後の剽窃譚・・・


        5月15日(土)・・・曇のち晴


 山崎正和「日本文化の世界史的実験」(「中央公論」1985年1月~86年6月号)は、翌1987年3月に、書名を『文明開国への挑戦』(中央公論社)として刊行された。その「あとがき」の中に、「けだし、内に柔らかい個人主義の成熟がなくては、日本の真の国際化はありえないし、外に国際化の刺激がなくては、柔らかい個人主義の将来も難しいといふのが、私の確信にならうとしている」とあった。

 レイ・ブラッドリ(1920・8・22~2012・6・5)は、紙の発火温度を題名とした『華氏451度』のSF小説が有名。その温度に因む攝津幸彦の未刊句集に『四五一句』(『攝津幸彦全句集』に収録)がある。その「あとがきにかえて」の中に「意味は深く言語の底なし沼に没して、(中略)ゴーシチゴ、ゴーシチーゴと、たしかに聴き取れる。意識することなく表出されるこのゴーシチーゴの正体を二十一世紀は如何に解明するのだろうか」とある。

 そしてまた、ブラッドベリには、「酔っ払い、自転車一台所持」(『ブラッドベリがやってくる―小説の愉快ー』)のエッセイがある。


      生涯に書かざる言葉あふれ 秋    大井恒行



      撮影・芽夢野うのき「花ざくろさびしき鳥の鏡里」↑ 

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