1986年5月24日↑
二十四日、M・マイスキー、ソロコンサート、J・S・バッハ『無伴奏チェロソナタ1・2・5番』(赤坂)
待望の新人初来日、宿命的とも言へるバッハを顕じて熱演。彼によりE・ブロッホも喚び戻されやう。
回路かな青きむかしをカラコルム 阿部鬼九男
*『黄山房日乗』へ35年後の剽窃譚・・・
5月24日(月)・・・晴
ミッシャ・マイスキー(1948・1・10~)はラトヴィア(旧ソ連)生まれのチェロ奏者。ユダヤ人家系、17歳でソ連邦音学コンクール優勝。1969年、姉がイスラエルに亡命し、70年、マイスキーも逮捕、師の別荘にソルジェニツィーンをかくまい、演奏活動を禁じられた。70年、国外移住が認められ、73年、イスラエルに移住。現在、もっとも活躍しているチェロ奏者のひとりらしい。鬼九男の文中に宿命的ともあるのは、マイスキーが少年時代からバッハの音楽に惹かれていたということを指していよう。
エルネスト・ブロッホ(1880・7・24~1959・7・15)はスイス生まれのユダヤ人作曲家。ブロッホの円熟期に、ユダヤ人の民俗音楽をよりどころにした、チェロと管弦楽のためのヘブライ狂詩曲「シェロモ」があるという。
句中のカラコルムは、さて、山の名か?、モンゴル帝国の首都であったの名か?または、上五「回路かな」から呼び出された言葉か? かつて愚生の職場の仲間を中心に出していた同人誌名も「カラコルム」だった。ほとんどは散文や詩だったが、愚生のみ、唯一、俳句を発表していた。
青山脈も海路も青きチェロソナタ 大井恒行
撮影・鈴木純一「雷電瓶(Leyden jar)あけた虎かセイレーンか」↑
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