第27回「ことごと句会」(切手句会・7月20日付け)、雑詠3句+兼題1句「流」。愚生はいつもと変わぬ低空飛行を続けている。ただし、「とある日の流眄(りゅうべん)さわにらふ亜沙弥」の句は、それなりの句?にちがいないと思ったのだが、挨拶された方以外は無点、ただこれには、元句があって、八田木枯「 尾花かるかや鳥居真里子の流眄か」という本歌があるが、趣味としては、それを超えていると思ったのに・・。まあ、八田木枯も句会では点が入らなかったかも知れないな、と慰めにしておこう。ともあれ、一人一句と寸評を紹介しておきたい。
ラムネ玉カラリと光を飲んでいる 江良純雄
向日葵の竜頭を巻くと空青く 渡邉樹音
幾とせの流転ぞシーグラスの宙(そら)の色 渡辺信子
虹消えて空の広さを持て余す 武藤 幹
何回も目が覚めている夏の鬼 らふ亜沙弥
火に穀象放つた幾年の流れ 照井三余
朝顔や昼の凌霄夜は烏瓜 金田一剛
青桐の花のひかりや鬱の家 大井恒行
①金田一剛「木耳に訊く山の向こうの山のこと」ー耳から訊くへ遊び。山に耳があるようで面白い。俳句もここまで遊べると首尾一貫範囲が拡がる(純雄)。ー離れていても山は繋がっているのですね(樹音)。ーキ音ととヤ音の頭韻のリズムの妙で、上手く出来ている句。山のあなたの空遠く「幸い」住むとひとのいう・・ですね(恒行)。
⑲「ラムネ玉・・」ーラムネ玉+カラリ+光。夏ですね(信子)。
「向日葵の・・」ー解らなさを残す句だけれど、「向日葵の竜頭」「竜頭を巻くと」に感服!(幹)。
②「幾とせの・・」ー「幾とせの流転ぞ」の「ぞ」は、ここで詠嘆しなくてもいいぞ。流転/ですっぱりと切ってもいい(剛)。
④「虹消えて・・」ー月並と言えど俳は、ここから始まりここに辿り着く(三余)。
⑫「何回も・・」ーどうしても俳号を必要とする句会では私は夏鬼です。何回も何回も気づき、反省もしながら又同じ過ちを繰り返す。まるで私の事の様・・・(幹)。
⑥「火に穀象・・」ー米作りのあの頃を髣髴(亜沙弥)。
⑭「朝顔や・・」ーこれだけ夏の代表、しかも凌霄、烏瓜と個性的な花に朝顔のしおらしさを上五に置く、挑戦句か?(亜沙弥)。
㉜「青桐の・・」ー青桐の花。大柄でさみしい青色が浮かびます(信子)。
撮影・鈴木純一「許すとか繰り返すとか広島忌」↑
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