「トイ」Vol.05(トイ編集室)、池田澄子、樋口由紀子、干場達矢、青木空知の四名の同人誌である。ブログタイトルに挙げた青木辰男「母国かここも屑籠楯に暑きスラム」の句は、各同人による一頁ずつのエッセイがあるが、干場達矢「暑きスラム」からのものである。青木辰男は、
(前略)1931年に大阪に生まれ、2009年に名古屋で没した。生前は夜鳴きそば屋をして生活s、家庭を持たなかった。仕事をするほかはひたすら書き物をして生きた人である。(中略)
作品は同人誌に発表していた。〈舗装裂く聖し工夫の裸体なり〉〈跛く脚へ懸る鋼材星流る〉〈汗し異教徒鉄挽きつつも無き聖痕〉。残した作品の多くは労働をテーマにしている。先に辰男を俳人と呼んだが、短歌も作り、その後は詩作が中心だった。(中略)辞世の歌は〈わが息のみなもととしてこの遊星よ無機も有機も呑む星として〉。
辰男の作品は没後に五郎氏がまとめた『断声 ある夜鳴きそば屋の詩』(牧歌舎)で読める。
とあった。五郎氏とは、青木辰男の実弟。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。
昼顔の茎の丈夫の憐れなど 池田澄子
占い師の言ったとおりに泡になり 樋口由紀子
幻想の天守喬かれ青嵐 干場達矢
けふも此の陰この高さ蠛蠓は 青木空知
★閑話休題・・・「ちょっと立ちどまって」2021.7・・・
二人のハガキ通信「ちょっと立ちどまって」から、一人一句を以下に挙げておこう。
琴線を離れトランペット涼し 森澤 程
パパゲーノパパパパゲーナ鈴涼し 津髙里永子
芽夢野うのき「疑問の赤ペン百日紅の百日」↑
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