赤間学第2句集『白露(しらつゆ)』(朔出版)、帯の惹句には、
紅梅やうしろに浪の現るる
東日本大震災から十年。/自ら手掛けた海洋構造物が一瞬にして崩壊した、その喪失感から立ち上がり、震災復興事業に従事する著者の第二句集。本書は被災者に寄り添いながら、己の再生を試みる作品群である。
とある。また「あとがき」には、
(前略) 白露の即ち君とゐる如く
句集の題は掲句からとった。俳誌「滝」(成田一子主宰)二〇一九年十月号の「瀬音集」に掲載され、後に角川「俳句年鑑二〇二〇年版」で正木ゆう子氏の100句選に選ばれた句である。感謝の気持ちを込めて迷わず決めた。
とあり、
私事ではあるが、二〇二〇年十一月十八日、勤務中に腹部大動脈瘤破裂を来し、AEDショックで心肺蘇生後、浪江町救急車とドクターヘリで搬送され、緊急手術を受けた。福島県立医科大学附属病院心臓血管外科・藤宮チームの執刀を得て命を救って頂いた。コロナ禍にもかかわらず患者に寄り添う笑顔の絶えぬ医療スタッフに感謝の気持ちを伝えたい。
とあった。ともあれ、集中よりいくつかの句を以下に挙げておきたい。
師菅原鬨也を偲んで
鯨波(げいは)忌や「立春」として十七音 学
除染工と海へ黙禱鳥雲に
どこまでが被曝地どこまでも枯野
近景に薔薇遠景に黒い波
しぐるるや教皇つつと爆心地
シベリアに遺骨残れり冬北斗
ドナルド・キーン氏を偲んで
震災も語り継ぎたり黄犬の忌
風信子夜目に崩るる波頭
大鷹の命ひとつを掴みけり
草笛をもて夕空を讃へけり
春の日や生きるものへと水動く
被曝の町の泡立草と信号機
白鳥帰るいまだ不明者のゐる海を
赤間学(あかま・まなぶ) 昭和23年宮城県大郷町生まれ。
★閑話休題・・・「春風亭昇吉 真打昇進披露興行」(昇吉「雛あられ姪にひと粒ずつの音」)・・・
「週刊新潮」8月12日・19日夏季特大号↑
我らが「遊句会」のメンバーである春風亭昇吉は、本年5月1日、真打に昇進。真打昇進興行が、コロナ禍で延び延びになっていたが、先日の東大安田講堂からのオンラインなどでも開催され、続いて、感染対策などを万全にして、国立演芸場で行われるという案内が来た。また、プレバトでは秋の大会に続き、9月19日には「NHK俳句」に、岸本尚毅のゲストで登場するらしい。ご高覧あれ!!また、先日かかりつけ医で「週刊新潮」を見ていたら、東大卒初の真打でグラビアに登場していた(上掲写真)。
【春風亭昇吉 真打昇進披露興行】
場所:国立演芸場
日時:9月3日(金)、9月7日(火)、9月10日(金)
開場/12:15、前座/12:45 開演/13:00~15:45
木戸銭/2000円 学生・シルバー/1400円
【ご予約問い合わせ】
・国立劇場チケットセンター(10:00~18:00)
0570-907-9900
・昇吉事務局 03-6432-5659
撮影・鈴木純一「ひまわりの種にもんじゅの智慧の熱」↑
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